睡眠の質が悪いと薄毛になる? 睡眠不足は育毛不足

寝ている子猫と赤ちゃん

 

直近10年ほどの間に、睡眠に関する研究でさまざまな新事実が分かってきました。

「寝不足は血圧が上がり糖尿病のリスクを高める」

「極端な長時間の睡眠は生活習慣病を悪化させる」

などという研究結果です。

睡眠は育毛にも深い関係があることも分かってきました。

睡眠中は体を休めるだけではなく、髪が成長するための重要な時間です。

この記事では、睡眠と育毛の関係や髪にとって良い睡眠の取り方をご紹介します。

 

 

夜間は髪が育つ時間

髪はいつの間にか自然に伸びて、伸び過ぎたら美容院に行って髪を切る。

それが当たり前だと思っていませんか?

髪は一体いつ伸びているのでしょうか? 自分の髪が成長して伸びていくところを見たことがある人はほとんどいないのではないでしょうか?

実は髪の毛は私達が寝ている夜間に成長して、私たちが起きている昼間はほとんど成長しないのです。

寝ている間に伸びているのでみんな気付かないのですね。1日に伸びるスピードは非常にゆっくりなので、必死に観察していても伸びているのかどうか分からないと思いますけどね(笑)

なぜ髪の毛は夜間に伸びるのかというと、

昼間は体内に流れる血液が、脳、筋肉、内臓などに多く流れ込んで生命活動のために栄養を送り込みます。

夜間になると、昼間にあまり流れなかった骨、皮膚などに血液が循環する仕組みになっています。

身体にとって髪の毛は皮膚の一部ですから、髪の毛が成長するのは夜間になるというわけです。

 

寝ている間に成長ホルモンが髪に流れ込む

睡眠中の体の中では、成長ホルモンという物質が分泌されます。

成長ホルモンというのは身体の組織を回復を促す物質で、皮膚や筋肉を修復する他、髪の毛にも作用します。

成長ホルモンの分泌量は眠り始めてから1時間後にピークに達します。

健康的に髪の毛が育つためには、成長ホルモンが分泌されるタイミングで髪の毛が成長するための栄養がきちんと行き届く必要があります。

髪の毛はタンパク質で出来ているのですがタンパク質は消化に時間がかかります。タンパク質が消化されるまでの時間を考慮すると、効果的に栄養を髪に届けるためには寝る3時間前までに食事を済ませておくのが理想的です。

寝る直前に食事をすると胃に食べ物が残ったままの状態で寝ることになります。すると、寝ている間も消化活動をしなければならなくなり胃腸や肝臓が休めなくなります。それによって睡眠の質が低下し、深い眠りに落ちることができない不規則な睡眠や睡眠不足となり、成長ホルモンの分泌量を減らしてしまうことになります。

睡眠不足になると成長ホルモンが分泌されにくくなるだけではなく、自律神経を乱し血行が悪くなることで髪の毛が十分に成長できなくなります。

このように睡眠時にいかに効率良く髪に栄養を届けることができるかが育毛のポイントです。

 

薄毛対策のために効果的な睡眠を取るには?

睡眠のゴールデンタイムに寝る

22時~2時は睡眠のゴールデンタイムと呼ばれています。

この時間帯は副交感神経が優位になる時間帯で、一番身体が休まることができて、成長ホルモンによって様々な組織が回復します。アンチエイジング効果が最も発揮される時間帯です。

髪の毛にとっても1日のうちで一番栄養が取り込まれやすい時間帯なので、ゴールデンタイムにしっかり睡眠を取ることで育毛効果が非常に高くなります。

頭皮など皮膚の血流は寝ている時に安定するので、髪の毛だけではなく頭皮のコンディションにとっても重要です。

仕事や生活習慣のリズムなどの問題で難しいかもしれませんが、ゴールデンタイムにしっかりと寝れるような生活を送るのが理想ですね。

髪の毛は睡眠のゴールデンタイムに栄養を受け取り、午前3時頃~9時頃の間に受け取った栄養を使って一気に伸びていきます。

 

質の良い睡眠を取るコツ

質の良い睡眠を取るためには寝る前に温めのお風呂に入るのが効果的です。人は体温が下がると眠くなる性質を持っています。お風呂で温まり、お風呂を出てから体温が徐々に下がり始めると自然に眠気がやってきます。熱めのお湯だと交感神経が高ぶり逆に目が覚めてしまうので、熱いお風呂が好きな人は寝る2~3時間前に入りましょう。

眠る時には電気毛布や暖房で暖かくしていても良いですが、眠り始めたらスイッチが切れるようにタイマー設定しておきましょう。人の体は寝ている時にどんどん体温が下がっていきます。下がらないままだと途中で目が覚めてしまったり眠りが浅くなるので、睡眠中もずっと暖め続けるのは良くないことなのです。

また寝る時に頭を冷やすと眠りやすくなるという研究報告もあります。

 

頭皮を含めた皮膚組織にとってはゴールデンタイムに睡眠を取ることがベストですが、成長ホルモンの分泌は深い睡眠が取れていればちゃんと行われます。

ですから身体の健康を維持するだけならゴールデンタイムに無理にこだわる必要はありません。

それよりも重要なことは就寝の2時間後には深い睡眠が取れるようにすることです。起きた時に今日は熟睡したなと思えるくらいの深い眠りがほしいところです。

 

睡眠を妨げる行動をやめる

深い睡眠を取るためには、睡眠を妨げる要因を取り除くことも大切です。

就寝時には部屋の電気をちゃんと消しましょう。できれば就寝2時間前くらいから間接照明などで部屋を暗めにすると良いです。スマホやパソコンなどから出るブルーライトは脳を覚醒させてしまうので、寝る前にこういったものを使うのは控えた方がベターですね。PC用メガネをかけてブルーライトをカットするのもひとつの工夫ですね。

夜食は胃腸に負担をかけるので我慢しましょう。胃が活性化することで体が休まらず熟睡を妨げてしまったたり、消化不良を起こし、下痢、便秘、逆流性食道炎の原因にもなったります。

・カフェインには覚醒作用があるので、寝る前にコーヒーやお茶を飲まないでおきましょう。寝る前の水分補給は水やスポーツドリンクが良いです。

・アルコールは分解されると交感神経を優位にし眠りが浅くなったり、利尿作用で就寝中にトイレで目が覚めたりするので、就寝前の飲酒は避けましょう。

・ストレスは自律神経を乱し睡眠を乱すので、なるべくため込まずうまくストレスを発散しましょう。

音楽やテレビはちゃんと消してから寝ましょう。つけたまま寝てしまうと、寝ていても音に脳が反応して深い睡眠に入れなくなります。

 

春は眠くなる

4~5月になると眠くなることが多い気がしませんか? 春は眠くなるなんてよく言われますね。

これは冬から春に向けて気温が大幅に上昇したり、天気や気圧が変わることが原因と言われています。

大気の変化で自律神経が乱れ、睡眠時間に神経が高ぶってしまったり、逆に活動時間に神経が落ちついてしまうことで、睡眠の質が落ち、昼間でも眠くなってしまうようです。

気温が高くなることで、身体の表面の皮膚の血流が良くなり脳への血流が減ることもバランスを乱す原因とも言われています。

春は特に睡眠や体内時計が乱れ易くなるので、規則正しい生活を意識しましょう。

 

「寝ずに頑張る」は禿るし非効率

昔は『四合五落』という言葉があったそうです。

どういう意味かというと「受験生の睡眠時間が4時間なら合格、5時間なら不合格。だから寝ずにしっかり勉強しろ」ということらしいです。根性論ですね。

合格に向ける気合はあればあるほど良いですが、方法論としては馬鹿げています。

短い睡眠時間は脳の作業効率を落すし、記憶の定着も悪くなります。生活習慣病のリスクが高まり身体にも悪影響がある上に、禿る可能性もあるわけです。何一ついいことはありません。

人は起床してから12~13時間までは能力を発揮することができますが、13時間以上が経過すると人の能力は徐々に落ちていき、17時間を超えると泥酔しているのと変わらないくらいにまで能力が低下するという研究結果があります。(Fatigue, alcohol and performance impairment)

泥酔状態で勉強しても頭に入るわけがないし、仕事や運転をすれば事故に繋がります。眠らないことがいかに馬鹿げているのかを示しています。実際に、1979年のスリーマイル島の原子力発電所の事故や1989年のタンカー原油流出事故を調査したところ、オーバーワークによって従業員の疲労が溜まり、仕事中に眠気が襲ったことが原因で引き起こされたと言われています。

仕事でとんでもない事故を起こしたり受験に失敗したくないなら、しっかりと睡眠を取りましょう。

眠らないとダイエットの効果も落ちるという研究結果も報告されています。女性は気になる話ですね。睡眠は肌にも影響しますので美容のためにも大切な要素です。(Insufficient Sleep Undermines Dietary Efforts to Reduce Adiposity)

 

最適な睡眠時間

では、どの程度の睡眠時間が身体にとって最適なのでしょうか。

睡眠の研究に関する論文はたくさんあり、そのうち科学的に有用と判断できる312本の論文を総括すると適正な睡眠時間は以下のようになったと報告されました。(National Sleep Foundation’s sleep time duration recommendations: methodology and results summary)

14~17歳 8~10時間 (これ以上長くても短くても良くない)

18~64歳 7~9時間

65歳以上 7~8時間

2014年に厚生労働省が発表した「健康作りのための睡眠指針2014」では、各年齢の健康な人の平均睡眠時間は次のようになっています。

15歳 8時間

25歳 7時間

45歳 6.5時間

65歳 6時間

日本人の平均睡眠時間は7時間43分と言われています。一方で薬事法ドットコムが行った30代~60代の全国の女性300人を対象とした調査では、睡眠時間が7時間未満の人が約85%であるとの数字が出ています。

日本人は世界基準の理想的な睡眠時間と比べると、健康な人でも多少短めの傾向があるようです。

毎日6時間未満の睡眠しか取れていない人は、世界基準でも見ても、日本基準で見ても、明らかに必要な睡眠時間が足りていませんので改善していきましょう。

若者の場合は睡眠不足になると成績が悪くなるという規則性があることが分かっています。体の成長にも悪影響が出ますし、若者の夜更かしは何一ついいことがありませんね。

よく忙しい人が休日に「寝だめ」するから大丈夫と言うことがありますが、全く大丈夫ではありません。前日の疲れは取れても明日の疲れが取れるわけではないので悪影響が出ます。体内時計が乱れることで生活リズムにも悪循環が生まれてしまいます。禿たり病気になったり事故で他人を殺したりする前に改善しましょう。毎日規則正しく睡眠時間を確保することが大切です。

 

「フレンチパラドックス」という言葉をご存知でしょうか。

フランス人は脂っこい料理ばかり食べていて喫煙率も高いのに心疾患が少なく、肥満も少ないというデータがあるのです。平均寿命も82歳と長いです。赤ワインを飲んでいるからこのようなことが起こるのだという意見もあるのですが、フランス人の平均睡眠時間が8時間29分と長いことも理由だと言われています。

ちなみにフランスベッドという日本の会社がありますが、フランスという響きが気に入って名前に入れただけで、国のフランスとは一切関係がないそうです(笑)

 

どうしても眠れない時には

眠らなくちゃいけないのは分かっているけど眠れない・・・、という人も多いと思います。

ここまでしっかり寝ろと言ってきた私も実は寝つきが非常に悪いし、生活リズムも崩し易いです(笑) 不眠になりがちなんですね。

不眠の原因は甲状腺疾患、薬の副作用、精神疾患(鬱病)などの場合がありますので、その場合は原因を治さなければなりませんが、普通は特に理由が見当たらない場合が多いと思います。妙に神経が高ぶって眠れないとか、眠いのに何故か寝付けないとか。

どうしようもない時は私の場合は、市販の鼻炎薬を飲むことがあります。元々鼻炎持ちなので常備しているのですが、鼻炎薬には鼻水を止める作用のある抗ヒスタミン成分が含まれており、その副作用として眠気があります。これを飲むとかなり眠くなるので仕事中などは困るのですが、逆に不眠でどうしても寝たい時にこの副作用を利用して使うことがあります。眠れるし鼻の通りも良くなるし、私にとっては便利なんです。

実は薬局やネット通販で買える市販の睡眠薬『ドリエル』『ナイトール』は抗ヒスタミン薬なんですね。

病院で処方される医療用医薬品には頼らずに改善したいので、なるべく生活習慣の改善で対処したいですね。最後の砦として市販の睡眠薬を使うというスタンスでいきましょう。

 

 

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