脱毛症状が起こる様々な病気 糖尿病、甲状腺疾患、高脂血症など

看護師 白板

 

薄毛の原因はAGAだと決めつけていませんか?

たしかに男性の薄毛の原因の90%はAGAですが、他にも様々な病気が原因で脱毛が症状として現れることがあります。

例えば、甲状腺疾患で髪の毛が抜けている場合にAGAだと思い込んでフィナステリドやミノキシジルなどのAGA治療薬を使っていても薄毛は一向に治りません。正しく甲状腺疾患の治療を行うことで脱毛症状も治ります。またAGAと甲状腺疾患が併発していることもあります。その場合はAGAと甲状腺疾患の両面から治療をする必要があります。

抜け毛が気になること以外にも身体の不調があると感じる時には、何らかの病気を疑ってみることも必要です。一度チェックしてみましょう。

この記事では、脱毛が起きる様々な原因、病気を紹介しています。症状があてはまっていたら適切な治療を受けましょう。

 

糖尿病

患者数が非常に多い病気です。

糖尿病になると血管の働きに異常が起き、栄養が細胞に伝わらなくなることで髪の毛が成長できず、細くなったり抜け毛が増えたりすることがあります。血液の流れの悪い血管系一円が円形状の薄毛になることもあるので一見すると円形脱毛症のようにも見えますが、円形脱毛症のようにツルツルに抜け落ちるというよりは薄毛になる感じになります。
円形脱毛症は自己免疫疾患なので、糖尿病とは薄毛になる原因が根本的に異なります。症状は似ていますが治療方法が全く異なりますので注意しましょう。

糖尿病は初期症状では気付きにくいですが、症状が進むと、「のどが渇く」「疲れやすい」「できものが出来やすい」「傷が治りにくい」「足がつる」「眠い」「食べてもやせる」などの症状が少しずつ出てきます。

神経症、腎症、網膜症を合併し易く、これらの症状がある人は糖尿病が進んでいる可能性が高いのですぐに内科に行きましょう。

糖尿病は進行が進んでしまうと薄毛どころか、失明、心筋梗塞、脳梗塞などの様々な重篤な合併を引き起こすこともある大変危険な病気です。

また糖尿病の人がAGAを合併している時にやってはいけないのはミノキシジルの内服薬(ミノタブなど)を服用することです。ミノキシジルの外用薬(リアップなど)は問題ないのですが、内服薬は血圧に影響を与えたり、インスリンの分泌を抑制することがあると言われているので、糖尿病患者の方は担当医と相談しましょう。

 

甲状腺疾患

甲状腺ホルモンが多すぎたり、少なすぎたりした場合に髪の毛が抜ける症状が現われることがあります。

バセドウ病や橋本病(慢性甲状腺炎)が代表的です。

髪の毛が抜ける以外の主な症状は、甲状腺ホルモンが出過ぎている場合は「かゆみがある」「汗が異常に多い」「口が渇く」「暑がり」「不眠」「脈拍が多く動悸がする」「微熱が続く」「手足の震え」「息切れ」「排便の回数が多い」「イライラする」「眼球が出てくる」「甲状腺が腫れる」などです。

このうち4つ以上当てはまったら甲状腺ホルモンが出過ぎている可能性があるので内科に行き血液検査をしましょう。

バセドウ病の場合では、「脈拍が多く動悸がする」「甲状腺が腫れる」「眼球が出てくる」というのが特徴です。甲状腺ホルモンが出過ぎていると体や内臓の動きが活発化する働きがあるので上記のような症状が出ます。

逆に甲状腺ホルモンが少ない場合は「肌が乾燥する」「汗が少ない」「声が枯れる」「寒がり」「眠気がある」「脈拍が少ない」「物忘れしやすい」「むくむ」「動作が鈍い」「体重が増える」「便秘」「気力が出ない」「筋力が落ちる」「甲状腺が腫れる」などです。

このうち4つ以上当てはまったら甲状腺ホルモンが少なくなっている可能性があるので内科に行き血液検査をしましょう。

甲状腺ホルモンが少ないと体や内臓の働きが落ちるので上記のような症状が出ます。

共通して起こるのが「抜け毛の増加」なので、抜け毛が甲状腺ホルモン分泌の異常を知らせるサインになっていることがあります。

 

高脂血症

血中の油脂分が多くなり毛細血管の流れが悪くなることで頭皮に必要な栄養が行き渡らず抜け毛が増加することがあります。

血液検査で中性脂肪やコレステロール値が高いという結果が出たら、血液の改善をしましょう。

また高脂血症剤の副作用でも脱毛することがあります。

 

亜鉛欠乏症

亜鉛は人の体に必須のミネラルで、不足すると皮膚炎、味覚障害、EDなど様々な障害が起こります。

不足すると現われる症状のひとつが薄毛です。亜鉛は毛髪の生成にも必要な成分なので不足すると薄毛を引き起こします。

また亜鉛には5α還元酵素を阻害する働きもあるので、AGA治療でも亜鉛不足にならないよう注意が払われます。

 

亜鉛を摂取しやすい食品は牡蠣が有名ですね。100g中13.2mgも含まれています。

しかし牡蠣を年中食べるのは難しいので、毎日の食生活の中で摂るという意味では、赤身の肉、小麦、チーズ、納豆、レバー、アーモンドなどがおすすめです。

ただし亜鉛の過剰摂取は銅欠乏、免疫力の低下などを引き起こすので気をつけてください。1日の必要摂取量は成人男性で9mg、成人女性で7mg、日本人の亜鉛の1日の限度量が30mgと厚生労働省が推奨していますので、その程度までを目処として考えましょう。

どうしても不足がちになる場合には亜鉛は市販のサプリメントで補うこともできます。

亜鉛不足に陥っているかどうかは血液検査などで分かります。亜鉛不足かもしれないと思ったら、安易な自己判断はせず病院で血液検査を受けましょう。

 

鉄欠乏症

2005年の論文で、「脱毛が起きている時、鉄欠乏になっている可能性がある」と発表されました。

鉄分が不足するのは主に女性が多く、よく貧血という形で症状が現われますが、男性にも起こります。

この論文では、貧血になってもならなくても血中の鉄が少な過ぎると脱毛が悪化するとしています。「医師は貧血の症状がないならあえて鉄分を摂取する必要はないと考えがちだがそれが間違いだ」と論文では主張しています。

気をつけなければならないのは、鉄を補わないと禿ると単純に考えてサプリメントなどで摂取すると過剰摂取になりやすいことです。特に男性は要注意です。

病院で血液検査を受け、血中フェリチン濃度の値が低い場合は鉄を補うと良いと推奨しています。

まずは自分が鉄欠乏になっているのか検査をして正しく判断することが必要です。

 

薬剤性脱毛症

薬剤の副作用で脱毛が起こることがあります。抗がん剤はよく知られるところですね。

脱毛が起き易い薬とその確率です。

ヘパリン、ヘパリン類似薬 50%
インターフェロンα 23~40%
エトレチナート 20%
バルブロ酸 0.5~12%
カルバナゼピン 1.6~6%

 

高脂血症薬のシンバスタチンや血栓症などで処方されるワーファリンでも脱毛が起こることがあります。その他にも様々な薬剤で確率は低いですが脱毛が起こる可能性があります。

多くの場合、薬の投与を始めてから脱毛が生じるまでに長期間かかるので、どの薬が原因になっているのか見極めるのが困難です。

原因となる薬が分かれば薬の投与をやめれば脱毛は止まりますが、数週間~数ヶ月に渡って影響が残ることもあります。

何か薬を服用していて抜け毛が増えた場合は主治医に相談してみましょう。

 

先天性脱毛症

先天性脱毛症は非常に稀な症状で、生まれた時から頭部全体に柔らかいくせ毛があり、あまり伸びません。

近年原因遺伝子がいくつか見つかっています。血液検査で診断ができますが、まだ分かっていない部分も多く診断がつかないこともあります。

 

膠原病(こうげんびょう)

膠原病とは女性に多い病気で、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気の総称です。

全身性エリテマ トーデス、皮膚筋炎、リウマチなどが挙げられます。

症状は原因不明の発熱、湿疹、関節痛などが共通で見られます。口内炎や頭髪が全体的に薄くなる脱毛が起こることもあります。

内科や膠原病を専門としている病院などで治療しましょう。

 

梅毒

梅毒が進行すると頭全体に薄毛が起こります。梅毒は無症状で長期間にわたって気付かないこともあるので注意が必要です。

ただ日本では薄毛になる前に梅毒が疑われて検査し治療することが多いようです。

 

 

その他、さまざまな原因で脱毛が起こることがあります。

ハンセン病

放射線治療の副作用

ビタミンAの過剰摂取

※以下の病気はリンク先ページでさらに詳しく解説しています。

⇒ 円形脱毛症

⇒ 脂漏性皮膚炎・脂漏性脱毛症

⇒ 薄毛になる生活習慣

 

 

病気や原因によって脱毛状態はかなり変わりますので、一般人では正しい診断が難しいこともあります。

現在治療中の病気があれば担当の医師、AGAではないけど脱毛や薄毛が気になるという場合には皮膚科の専門医に診断してもらうことが大切です。

 

 

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