女性の薄毛 症状別治療法

薄毛を恐れる女性

薄毛が気になる、どうしよう…。

女性が薄毛で悩んだ時のストレスは、男性の比ではありません。鏡を見るのも嫌だ、人に会うのも嫌だ。どんどん内向的になってしまいます。

しかし冷静に考えてみてください。

薄毛になったのには必ず原因があります。原因がないのに薄毛になることはありません。

原因を特定し、正しく治療して問題を解消すれば薄毛は元通りに治ります。

 

この記事では女性の様々な薄毛の症状やその治療法について紹介します。

症状や生活習慣などから当てはまるなと思ったら、それが薄毛の原因かもしれません。

一緒にチェックしていきましょう!!

 

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症の症状

「髪にコシがなくなってきた。つやもなくなり、細くなった気がする」

「分け目やつむじが目立つようになった」

「髪のボリュームが減ってしまった」

「抜け毛の数が気になる。排水口や枕元に何本も付着している」

このような症状がある場合、びまん性脱毛症の可能性があります。びまんとは広がっていくという意味です。

女性の薄毛としては一番多い症状で、びまん性脱毛症の場合は頭部全体が時間をかけてゆっくりと薄くなっていきます。そのため初期段階ではなかなか気付きにくく、明らかに薄毛になった段階まで症状が進まないと危機感を持てないことが多いです。

びまん性脱毛症は髪の毛が軟毛化した結果ボリュームがなくなったり、頭皮が透けて見えるようになったりします。軟毛化とは、本来太く艶やかに育つはずの髪の毛が、細くコシのない髪になってしまったり、十分に伸びることができなくなってしまうことです。軟毛化することで髪の毛が全体的に薄くなったように感じます。特に髪の分け目や頭頂部の頭皮が透けて目立つようになります。抜け毛については、男性の薄毛であるAGAほど大量に脱毛することはあまりなく、抜け毛の数は多少増える程度です。髪の毛が細くはなりますが大量に抜けているわけではないので、男性のように生え際が後退することはほとんどありません。

発症する年齢は更年期前後が多く、閉経後に目立ってくるので老化現象と考える人が多いようです。中年以降の女性だけでなく若い女性でも発症することがよくあります。

20歳以上の女性の約40%が一生のうち一度はびまん性脱毛症になると言われています。

 

びまん性脱毛症の原因

びまん性脱毛症の原因は非常に広範囲にわたっており、人によって実に様々な原因があります。

原因を見つけにくいので治療も難しくなってしまいます。

まずは自分にあてはまると思われる原因を見つけて、それを改善していくことに努めましょう。

 

加齢によるホルモンバランスの変化

一番多い原因はホルモンバランスの乱れです。

女性ホルモンは分泌量が二十代後半でピークを迎え、加齢によって少しずつ減少し、閉経前後にホルモンバランスが大きく乱れます。

女性ホルモンが減ることで相対的に男性ホルモンが強くなり、その結果脱毛が起こりやすくなると考えられています。

60歳を過ぎると程度の差はありますが誰にでもびまん性脱毛症の症状が見られるようになります。

若い女性でも生理不順など様々なことが原因でホルモンバランスが崩れた結果、びまん性脱毛症に繋がってしまうことがあります。

グラフ 女性ホルモンの分泌量と年齢の関係

女性ホルモンの分泌量と年齢の関係

引用元:こうレディースクリニック

 

ダイエットによる栄養不足

ダイエットにより髪の毛に必要なミネラルが不足すると脱毛や軟毛化につながります。

栄養は内臓や脳などの生命を司る重要な器官に優先して使われます。生命維持のためには優先度が低い髪や爪に栄養が配分されるのは最後になるので、ダイエットで栄養不足になると最初に悪影響が出るのが髪や爪になるわけです。

ダイエットは決して悪いことではありませんが、ミネラル不足などにならないよう健康的に痩せましょう。

 

ストレス

極度のストレスは髪の毛にも悪影響を与えます。ストレスが溜まるとホルモンや自律神経のバランスが乱れたり、血管が収縮し血行不良になることで髪の毛に必要な栄養が運ばれなくなったりしてびまん性脱毛症の原因になると考えられています。また強いストレスは円形脱毛症のきっかけにもなると考えられています。

人は強いストレスを受けると身体の中で亜鉛を大量に消費します。亜鉛は毛髪の育成に必要な成分ですので、亜鉛欠乏症になると脱毛することもあります。

ストレスが原因の脱毛は、ストレスが解消されると自然に治ることが多いと医師たちの間ではよく言われます。

極度のストレスを感じているならそれを解消できるように工夫してみましょう。女性は悩みを人に話すことで大きくストレスを軽減させる能力を生まれつき持っているので、人に悩みを聞いてもらうのもとても健康に良いことです。

またストレスによってなかなか寝付けなくなると睡眠の質が低下してしまいます。睡眠中は髪の毛が成長する大切な時間ですので、睡眠不足は髪の成長を妨げることになってしまいます。良い睡眠を取るためにも工夫をしてみましょう。

 

シャンプー

意外と多いのがシャンプーの悪影響です。髪が長いとシャンプーをすすぎ残して頭皮を痛めてしまったり、綺麗好きなために1日に何度もシャンプーをすることで頭皮に必要な分の皮脂まで過剰に落しすぎてしまったり、体質に合わない洗浄力の強すぎるシャンプーを使って頭皮にダメージを与えることがあります。テレビCMでよく見かけるような安価なシャンプーは洗浄力が強いものがほとんどです。

洗髪方法やシャンプーの選び方を間違えていると、知らず知らずのうちに頭皮環境を悪化させてしまうこともあるので注意しましょう。

 

 

ホルモンバランスが大事

 

びまん性脱毛症の治療法

まずは生活習慣の改善から

症状が軽度であれば、バランスの良い食事、ストレス解消、良質な睡眠、正しい洗髪を行うなど、生活習慣を見直すことで薄毛を改善することができます。ホルモンバランス、栄養状態、血行、頭皮環境が整うことで薄毛も徐々に改善していきます。

栄養に関しては、バランスの良い食生活を送るのが難しいこともあります。その場合はサプリメントで補うと良いです。私がこれは良いなと思うサプリメントはボストン。髪の毛に必要な栄養素が28種類配合されているので、細かいことをいろいろ考えなくても、とりあえずこれさえ飲んどけば髪の栄養は確保できるという点が気楽でいいです。

⇒ 女性用育毛サプリボストン

このサイトでも生活習慣の改善方法について書いた記事が多数あるので是非参考にしてみてください。

 

重症の場合は医薬品

症状が重度の場合も、まずは生活習慣の見直しをしましょう。その上で医薬品の力を借りると大きな改善が期待できます。

生活習慣の改善と医薬品の力で、ダブルの効果を狙っていくわけです。リアップリジェンヌという医薬品の育毛剤で身体の外から頭皮に発毛成分を与え、パントガールという飲む医薬品と生活習慣の改善で身体の中から育毛環境を整えます。

 

・ミノキシジル外用薬

ミノキシジル外用薬はびまん性脱毛症にもっとも効果のある発毛剤と言っても良いでしょう。

ミノキシジルは日本皮膚科学会が推奨する発毛効果が非常に高いと認められている医薬品で、他の全ての医薬部外品の育毛剤とは比較にならない発毛効果があります。

女性用の医薬部外品の育毛剤も数多く販売されていますが、それらには発毛効果がないことが法的に立証されています。本気で発毛させたいなら厚生労働省から発毛効果を認められているミノキシジルを使いましょう。病院で行うびまん性脱毛症の治療でもまずはミノキシジルを10カ月ほど使ってみて様子を見るというのが一般的です。

ミノキシジルは保険が適用されないので病院で買うと高いです。個人でも買えるミノキシジル外用薬として大正製薬からリアップリジェンヌという育毛剤が販売されています。ミノキシジルが1%配合された女性用のミノキシジル外用薬で、日本では唯一の発毛剤です。男性用のミノキシジルが5%入ったリアップx5は女性が使うとムダ毛が濃くなりやすくなるので、女性用は1%になっています。女性用も男性用も基本的にミノキシジルの濃度以外の成分は変わりません。アメリカでは女性用の2%ロゲインや、5%の製剤が使われることもあります。

 

・パントガール

女性用の医薬品として、ミノキシジルと並んで効果の高いものがパントガール(pantogar)という内服薬です。

副作用がなく、70%の人に効果があると臨床試験で確認されている非常に良い医薬品です。

病院で処方してもらう必要があるのですが少々お高いです。個人輸入代行業者の通販で購入すれば医師の処方箋も必要なく、病院よりも安く買えます。パントガールについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

⇒ 女性向け薄毛治療薬パントガールとは

 

女性に注意して頂きたいのはフィナステリドという医薬品です。プロペシアやフィンペシアという名前で販売されています。フィナステリドは男性専用の医薬品で非常に高い薄毛改善効果があります。しかし女性が使うと深刻な副作用が出る可能性が高い薬です。女性は手で触れることさえ禁止されています。通常は病院で処方される薬なので手に入れることはないと思いますが、ネット情報で副作用の話を知らないままフィナステリドの効果が抜群に高いという話だけを読んで、個人輸入などで購入し使ってしまうと大変なことになりかねません。

ミノキシジルやパントガールなど、必ず女性向けの医薬品を使うようにしましょう。

 

自分で治せない場合は薄毛治療専門病院へ

短期間で高い効果を期待するなら女性専門のAGAクリニックや美容外科の薄毛治療専門外来などで相談することも良い選択肢になります。

AGAクリニックではカウンセリングだけなら無料の病院がほとんどなので相談だけでもしてみると良いアドバイスをもらえるかもしれません。

本格的に病院での治療となると、病院によっては医療費が高額になることがあるので、カウンセリングの段階で治療プランと費用をしっかりと病院側に確かめましょう。

病院での治療は様々ですが、ミノキシジルパントガールスピロノラクトンなどの治療薬を処方したり、お高いですがメソセラピーHARG療法という注射治療などを行うこともあります。

間違っても育毛や発毛ができるなどと謳うエステやヘアサロンなどには行かないようにしましょう。それらの業者は施術者の医学的知識が乏しい上に、医師免許を持っていないため効果の高い医学的な治療を受けることができません。法律で明確に規制されているため、病院とエステでは使える機材や薬剤がまるで違います。エステでは効果があるかどうか怪しい頭皮マッサージをされて、育毛効果があるからと言われてサプリメントを買わされ、最後は高額請求をされるというパターンがほとんどです。行くなら必ず「薄毛治療の専門病院」に行きましょう。

病院ではホルモン剤系の薬剤はあまり使われないようですが、女性ホルモンを増加させることで症状が改善するという考え方から、薄毛治療として低用量ピルを内服する人もいます。

医師によっては薄毛治療として処方することがあり、効果もあります。薄毛治療目的で処方するかどうかは医師によって考え方が大きく異なるようですが、婦人科や女性専門のAGAクリニックなどで一度相談してみると良いかもしれません。

例えば、大阪の医療法人 太融寺町谷口医院では処方することがあるそうです。

⇒ 女性専門のAGAクリニック 東京・横浜編

 

びまん性脱毛症以外の女性に起こりやすい脱毛症

・FAGA

女性のAGA(男性型脱毛症)と言われ、男性のAGAと区別するためにFAGA(female aga)と言います。

なぜ男性の症状であるAGAが女性にも起こることがあるのかと言うと、女性の体内にも男性ホルモン(テストステロン)が存在するためです。

通常は女性の血中にある男性ホルモンの量は男性の1/20ほどと少ないのですが、加齢や生活環境によって女性ホルモンの分泌量が減り、相対的に男性ホルモンが優位になるとFAGAを発症することがあります。

詳細な発症メカニズムは男性のAGAとは全く異なると考えられていますが、現在の医学ではまだ詳しいことは分かっていません。

FAGAの症状は、全体的に薄くなっていくのと同時に頭頂部(頭のてっぺん)が少し薄くなりやすいです。男性のAGAのようにツルツルになるまで薄毛が進行することは少なく、ある程度で止まります。女性は女性ホルモンが多いので、男性のように特徴的なM字はげやつむじはげになることはほとんどありません。

びまん性脱毛症のように頭部全体が薄くなることが多いため、びまん性脱毛症とFAGAが同じ病気のように説明されることも多いです。

 

FAGAを改善するにはホルモンバランスを改善することが重要です。

食生活や睡眠などを整えて、健康的な生活を送りましょう。

生活習慣の改善だけではなかなか治らないこともあります。その場合は医薬品の出番です。

ミノキシジルの外用薬は、FAGAに対して医学的に高い有効性が認められています。

 

・牽引性脱毛症

 ポニーテールなど髪をゴムでしばることにより毛根がダメージを受け、生え際や分け目が薄くなるタイプの脱毛症です。長期間同じ髪型でいたりゴムを強く引っ張りすぎると、分け目や生え際の髪の毛が脱毛してしまいます。ヘアスタイルや分け目を気分転換ついでに時々アレンジして変えてあげれば予防になります。

 

・分娩後脱毛症

 妊娠時には女性ホルモンが活発に分泌されます。女性ホルモンが増えれば髪の毛には好影響になるのですが、ヘアサイクル(毛周期)が乱れてしまい、出産後に反動で脱毛をすることが多々あります。この脱毛は一目で分かるような酷い脱毛にはなりませんし、一時的なものなので放っておけば半年~1年ほどで治ります。ただし、高齢出産の場合は完治しないこともあります。

 

・ピルの服用による脱毛

 ピルの服用をすると妊娠中と同じホルモンバランスとなり、女性ホルモンが増加するので一時的に脱毛が減少し毛量が増加します。服用をやめるとその分一時的に抜け毛が増加します。分娩後脱毛症と同じような脱毛が起こります。これも一時的なものなので心配する必要はありません。

 

・円形脱毛症

 楕円形に髪の毛が抜け落ちる脱毛症です。10円玉くらいのハゲが突然できたら円形脱毛症をまず疑います。ハゲの範囲が徐々に拡大していく場合はすぐに皮膚科に行きましょう。難治になる可能性があります。女性に限らず男性や子供も発症することがあります。

⇒ 円形脱毛症の全て 症状・原因・日本皮膚科学会ガイドライン推奨の治療法&医師が推薦する医療機関

 

・脂漏性脱毛症

 皮脂の分泌が多い方に発症しやすい症状です。顔(特に鼻、額、あご)耳の裏、頭皮などに赤い炎症や湿疹ができて、軽い痒みを伴います。悪化すると脱毛も起こります。女性に限らず男性や子供も発症することがあります。

⇒ 脂漏性皮膚炎 完治のための治療のポイントは3つ

 

・粃糠(ひこう)性脱毛症

 乾燥したフケが大量に出ることで毛穴を塞いでしまい、頭皮が炎症を起こし、毛髪の正常な成長を妨げられることによって起こります。毛穴がつまっていることで薄毛になるとよく言われるのは、業者が患者の不安を煽る常套句で実際には大した症状ではないことが多いのですが、粃糠性脱毛症を発症している場合は段違いに大量のフケが出ます。頭を指でかくとポロポロとずっとフケが出続けます。

  脂漏性皮膚炎と共に発症したり、強い洗浄力のシャンプーのしすぎで頭皮が過度に乾燥し痛んでしまったために起こることが多いようです。

 この症状になると自分で治療するのは難しいので速やかに皮膚科で診察してもらいましょう。 

 

・他の疾患による脱毛

 膠原病、鉄欠乏症、橋本病、バセドウ病、糖尿病、亜鉛欠乏症や使用中の薬剤の副作用で脱毛することもあります。

⇒ 脱毛症状が現れる様々な病気まとめ 大量の抜け毛は別の病気の症状かもしれません

 気になることがありましたら総合的に身体の状態を診てもらえる内科へまずは行きましょう。

 

このように女性の薄毛の原因は多種多様ですが、自分の場合はこれじゃないかなと思い当たる節があると思います。原因が分かれば対処法も自ずと決まります。対処法が分かれば薄毛が治せます。

髪の毛の治療は今日始めて来週効果が出るわけではありません。髪の毛が伸びてくるまで改善が実感できないので、早くても2~3か月はかかります。根気良く頑張りましょう!!

 

 

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びまん性脱毛症などは生活習慣の見直しで改善することも多いです。

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