フィナステリドとミノキシジルでAGA98%の改善率
2016年現在、高い実績をあげているAGA治療法はフィナステリドとミノキシジルという医薬品の投薬治療です。
『公益社団法人 日本皮膚科学会』が医学的根拠に裏付けられた非常に高い効果が認められるとし、AGA治療薬として強く推奨しているのがフィナステリドとミノキシジルです。
そのためほとんどのAGAクリニックや皮膚科などの病院ではこの2つの医薬品を使って治療を行っており、実際に薄毛改善率98%という大きな効果を生んでいます。
AGA治療と言ったら、まずはこの2つの医薬品による治療が第一選択になります。他の育毛剤を使っている場合ではありません。
(参考)日本皮膚科学会 男性型脱毛症診療ガイドライン2010
フィナステリドとミノキシジルといきなり言われても「なにそれ?初めて聞いた」という方も多いと思います。見慣れないカタカナ言葉が変に難しく感じますよね。
そこで、このページではこの2つの医薬品はどんな薬なのか、どれほどの効果があるのか、副作用などの危険はないのかなどについて詳しく解説していきます。
この記事は文章量が非常に多いので、時間がない方は色が変えてある重要ポイントだけ読んでいってもらっても構いません。詳細はブックマークなどして時間がある時にでも読み直して頂ければ幸いです。以下の目次から読みたい項目へジャンプしてもらっても時短になると思います。
目次
フィナステリドについて
ミノキシジルについて
フィナステリドについて
フィナステリドとは
フィナステリドとは、一言で言えば「AGAを要因とする脱毛を抑える効果が医学的に証明された有効成分」です。
アメリカのメルク・アンド・カンパニー社が開発し、世界60カ国以上で承認されているAGA承認薬です。
日本ではMSD株式会社(旧万有製薬)がプロペシアとして臨床試験、承認申請を経て、2005年12月から販売開始され、AGA治療の基本薬として使用されています。
フィナステリドが誕生してからAGA治療は劇的に改善しました。
フィナステリドが誕生する以前は、AGAを原因とする脱毛を抑えることは不可能に近く、「禿たら諦めるしかない」という冬の時代が続いてきました。
それでも何とか薄毛を改善したいと切実に悩んだ人たちは、効果があると聞けば医学的に全く発毛根拠のない育毛剤や頭皮マッサージでもなりふり構わず試しました。しかし発毛効果が得られないどころか多額のお金と時間を使い果たし、悪徳ヘアケア業者を潤すだけという結果になってしまいました。
2000年代に入り医学の進歩でフィナステリドが登場すると、病院での治療の第一選択肢として処方されるようになり、薄毛の進行を止めることができるようになりました。それまで悪徳ヘアケア業者が扱っていた発毛効果の全くない治療法ではなく、病院で扱う本当にAGA治療に効果の高い薬が誕生し、AGAは治らないものではなくなりました。
フィナステリドの作用と効果
フィナステリドは具体的にどういう作用をして、どのような効果があるのでしょうか。
薄毛を治したいと切望している方にとって一番気になるのが「フィナステリドって本当に効くの?」というところですよね。
そこを説明していきます。
AGAの原因は、DHT(ジヒドロテストステロン)が毛球に悪影響を及ぼし軟毛化することが原因です。(詳しくはこちら)
DHTというのは、前頭部や頭頂部に存在する5α還元酵素(5α-リダクターゼ)と、体中を巡回している男性ホルモン(テストステロン)が反応することで生まれる物質です。
フィナステリドは、テストステロンが5α還元酵素によりDHTに変化する過程をブロックする作用(阻害)を持っており、それによりDHTの生成を抑制します。
DHTを抑えることで毛球が正常化し、髪の毛の軟毛化が止まり、硬毛へとしっかり育つようになるのです。
DHTによって崩れていたヘアサイクルが再び通常のヘアサイクルを取り戻すので、抜け毛の進行が止まります。
国内の臨床試験ではプロペシア1mgを投与した場合の改善効果は、1年間の投与で約60%、2年間で約70%、3年間で約80%が認められています。
改善効果というのは、服用前と比べて毛量が増えたということです。1年間で6割の人が毛量が増えました。
維持効果は、1年間の投与で約40%、2年間で約30%、3年間で約20%となっています。
維持効果というのは、服用前と比べて薄毛が進行しなかったということです。1年間で4割の人が薄毛の進行が止まりました。
つまり改善効果+維持効果で約98%の方に効果がある成分なのです。
AGAを発症した人のほぼ100%がフィナステリドの服用で薄毛の進行が止まるか、毛量が増えたということになります。
この数字を見てもフィナステリドがAGA治療に大きな革命をもたらしたことが分かりますね。
ただし、フィナステリドによるAGA治療は1年間で終わるわけではありません。フィナステリドの服用をやめたら脱毛、軟毛化は再開してしまいます。つまり髪の毛を維持しようと思ったらフィナステリドを飲み続ける必要があるのです。
では1年以上の長期間に渡ってフィナステリドを服用した場合、効果や副作用はどうなるのでしょうか。
イタリアのサピエンツァ大学の報告によると、個人差はあるものの以下のことが確認されました。
①かなり進行してしまったAGA症状の被験者でもその内の半数が1年後に初めて効果が発現した。
②一般の被験者たちも服用し続けても効果は落ちることなく持続した。
③21%の被験者が5年以上服用したことでより高い効果が現われた。
④10年後も効果を維持することができた。
⑤副作用に関しては、10年以上に渡るような長期間の服用中には肝機能が低下することがある。
「同じ薬を飲み続けると耐性ができて効果がなくなる」と言われることもよくありますが、この報告によると10年後も維持できたとのことです。
またローマ大学皮膚科で発表された論文では、プロペシアの長期服用による副作用は初期の副作用より低減すると報告されています。
多くのAGAクリニックの患者の経過観察からも同様の結果が得られているようです。
遺伝子検査を受けると「自分はフィナステリドが効きやすい体質なのか」が分かります。フィナステリドを服用しても治療開始後3ヶ月くらいは目に見える効果はなかなか出ません。最初の3か月間は本当に効果があるのかと疑心暗鬼になるのですが、遺伝子検査を受けてどの程度自分に効果が出るのか最初から分かっていると治療を継続する気持ちになれます。興味のある方は遺伝子検査を受けてみると良いかもしれません。
⇒ AGAの遺伝子検査で何が分かる? どこで受けるのか、費用は?
フィナステリドはディフェンス
ここまでを読むと勘違いしやすいのは、「フィナステリドを服用すればほぼ100%発毛する」と思われてしまうことです。
フィナステリドは抜け毛を減らす効果は非常に大きいですが、新しく毛を生やす発毛効果は比較的小さいです。
抜け毛が少なくなることでAGAの進行を止めることができる、いわばディフェンス(守り)の薬なのです。
サッカーで例えるなら、1点も失点させない鉄壁のゴールキーパーですね。カーンやブッフォンような名ゴールキーパーがフィナステリドです。
ですから、現在の毛髪を維持したいと望む人はフィナステリドの服用だけで満足のいく効果が得られます。
毛髪を維持するだけではなくすでに抜けてしまった毛髪も元通りにするために増やしたいと望む人は、フィナステリドの服用だけでは不満が残る結果になります。
その場合は、発毛効果が非常に高いミノキシジルも併用する必要があります。
また50代以上の方には効果が薄いです。紹介した臨床試験結果は50歳以下の人に対して行われたものです。
なぜ50代以上の方には効果が薄いのかというと、高齢になればなるほどヘアサイクル(毛周期)の寿命を終えた毛母細胞が増えるからです。どんな手を打っても寿命が尽きた毛母細胞からは発毛はしなくなります。
また、2016年2月5日に日本医科歯科大学とニューヨーク大学などのチームが米科学誌サイエンスで行った発表によると、毛包の縮小にはAGAを原因とするものもあるが、老化によるものもあり、17型コラーゲンの分解が原因となっていることが判明したと報告されました。この老化による毛包の縮小を止めるには新薬の開発が必要で、実用化には10年かかると言われています。
非常に辛い現実ですがこれは受け止めるしかありません。50代以上の方でAGA治療薬でも効果が得られなかった場合は、自毛植毛、メディカルSMP、カツラなど発毛以外の方法も有力な選択肢になると思います。
薄毛治療はなるべく若いうちに行わなければ、時間の経過と共に次々と毛母細胞の寿命が尽きていってしまうので、治療効果はどんどん落ちていってしまいます。まだ薄毛になっていなくても予防としてフィナステリドを飲むことで将来のAGA発症リスクを抑えることもできます。
プロペシアとは
よくフィナステリドとプロペシアの違いが分からないという質問を見ますが、同じような意味で使われるので混乱しますよね。
フィナステリドというのは薄毛の進行を止めることができる有効成分(薬)で、プロペシアというのはフィナステリドを含有する薬(商品)のことです。
フィナステリドを含有する薬には他にもフィンペシアや、次に紹介するプロペシアのジェネリック医薬品のフィナステリドファイザーなどがあります。
プロペシアとフィナステリドファイザーは国内承認薬です。日本の厚生労働省が効果・安全性について厳正に検討し、国内に流通させてもよいと承認した薬ということです。
ちなみにプロペシアの名前の由来ですが、プロは「pro」でポジティブという意味、ペシアは「alopecia(脱毛症)」のpeciaから取っています。
ジェネリック医薬品
長らくフィナステリドは国内承認薬としてはプロペシアのみでしたが、2015年2月9日にファイザー株式会社のジェネリック医薬品が厚生労働省から製造販売承認を取得しました。
そして2015年4月6日から国内では初のAGAジェネリック医薬品として販売が開始されました。
商品名は『フィナステリド錠0.2mg ファイザー』と『フィナステリド錠1mg ファイザー』です。
ジェネリック医薬品の登場で患者の負担額が軽くなったのは朗報ですね。
ジェネリック医薬品なので、先発品のプロペシアと薬の効果はほぼ違いがありません。薬代を安く済ませたいなら病院で処方してもらう時に、ジェネリック医薬品の方でお願いしますと医師に伝えれば大丈夫でしょう。ただまだ手ごろな値段とは言えず、医師の診断と処方箋も必要です。
余談ですが、プロペシアの特許権は2019年までで権利が切れる前にも関わらずジェネリック医薬品の発売が認められた背景には、健康被害を招く粗悪な偽造品を排除する狙いがあったと言われています。
どういうことかと言うと、国内はプロペシアの独占市場でしたが並行輸入品としてフィナステリドの効用を謳った偽造品が入ってきていました。
AGAは保険が使えない自由診療なので、病院で治療するとどうしても医療費が高くなります。そこでコストを安く抑えるためによく調べもせず輸入品を安易に購入していた人が多かったのです。間違ったネット情報などを信じて粗悪な偽造品を輸入して購入し、時には健康被害に遭ってしまった人もいるようです。フィナステリドの効果が現われるまでには時間がかかるため、騙されて買ってしまった危険な薬を長期間服用し続けてしまう可能性があり、リスクが大変高くなります。
厚生労働省がそういった現状を憂慮し、患者の治療費負担を改善するために早い段階でジェネリック医薬品の販売を認可をしたと言われています。
承認を受けたファイザー製薬は世界最大規模の巨大製薬会社なので、信頼度は日本の製薬会社以上に高いですしね。
費用
AGA専門の病院で処方されるプロペシアの平均的な価格帯は、1ヶ月分(28錠)で7,000~9,000円です。
ファイザーのジェネリック医薬品は6,000~7,000円となっています。
現状では価格差が小さいこともあり、すでに臨床現場で広く使われ安全性に信頼が高いプロペシアの方が医師の立場からすると処方しやすいかもしれません。
1ヶ月分にしては高いなと思われたと思いますが、AGA治療薬は保険が利かないのでどうしても高くなってしまいます。
病院で処方される場合は上記の価格帯ですが、個人輸入代行のネット通販ではかなり安く手に入ります。
どういうことかと言いますと、プロペシアやフィナステリド錠ファイザーは患者が手に入れるには医師の診断が必要です。一方で、フィンペシアなどプロペシアとほぼ同様の成分の薬があり、それらの薬は日本国は認可していないけれど外国の保険当局では認可されていて、日本に居ても個人輸入代行業者のネット通販などで入手できます。医師の診断も必要ありません。その上、価格は病院で処方されるプロペシアより遥かに安いです。
プロペシアの場合も病院で処方してもらうより個人輸入品の方が安く手に入ります。病院で処方される薬は正規品しかないので信頼性が高いですが費用も高いです。個人輸入で手に入れた薬は個人輸入代行業者によっては偽造品を掴まされたり副作用が起きても全て自己責任になるリスクがありますが価格が安いです。
病院で薬を処方してもらうのも、個人輸入で薬を手に入れるのも、それぞれ一長一短があります。どちらを選ぶかは個人個人のお財布事情や価値観に依りますね。
フィナステリドを使用する前の注意事項と副作用について
ここまでいいこと尽くめでフィナステリドについて紹介してきましたが、医薬品ですので一般的な風邪薬などと同じく使用上の注意事項があります。
フィナステリドは男性にしか処方されませんが、妊婦さんには悪影響が大きいので家族に妊婦さんがいる方は特に注意してください。
フィナステリドについてここまで見てきました。
まとめると、
①フィナステリドは薄毛の進行をストップする医薬品
②購入先については、病院とネット通販で一長一短がある
③使用する前に注意事項を確認する。特に女性には注意。
ミノキシジルについて
フィナステリドと並んで、AGA治療に欠かせないもうひとつの治療薬がミノキシジルです。
フィナステリドだけでも効果は高いのですが、ミノキシジルを併用することでさらに大きな効果を上げることができます。
ではミノキシジルについて見ていきましょう。
ミノキシジルとは
ミノキシジルは、一言で言えば「発毛効果が医学的に証明されている唯一の有効成分」です。
ミノキシジルはそもそも1970年代後半にファイザー社(旧ファルマシア&アップジョン社)によって経口血圧降下剤(高血圧の人のための飲む薬)として創薬されました。血圧を下げるために血管拡張作用がありました。
その後、副作用として発毛効果もあることが認められたため、FDA(米国食品医薬局)から認可を受け、AGA治療の外用薬として1988年に『ロゲイン』という商品名で販売されました。EUなどの地域では『リゲイン』という商品名で販売されています。現在ではファイザー社がOTC事業をジョンソン&ジョンソン社に売却したため、ジョンソン&ジョンソン社が製造を行っています。
日本では1999年に厚生労働省にAGA治療薬として認可されました。
大正製薬が販売しているリアップx5が有名ですね。役所広司さんや水谷豊さんが出演しているCMは誰もが一度は見たことがあると思います。
「臨床データをのせている医薬品は?」と言っています。
これは裏を返せば「日本で売られている他の育毛剤は臨床データを見ると発毛効果がないことが明らか」という意味です。
大正製薬はファルマシア&アップジョン社と日本における開発・製造・販売のライセンス契約を結んでいるので、リアップはロゲインとほぼ同じ成分になっています。
ミノキシジルの効果
ミノキシジルは具体的にどのように作用して、どんな効果があるのでしょうか。
ディープグロース効果
「ミノキシジルは毛乳頭細胞に働きかけることによって、アデノシンの産生により毛髪の成長を促す血管内皮細胞増殖因子を分泌させ、毛乳頭細胞に栄養を運ぶ血管の血流を良くし、毛髪を成長させる効果があります。」と一般的には説明されていますが、実はなぜ発毛するのか詳細には分かっていない部分もあります。
ヘアサイクルで説明すると、休止期にあり成長しなくなった毛包を成長期へ移行させます。休止期の言わば寝ている毛包を活性化させ、新しい毛髪の発毛を促進させます。
同時に成長期にある毛包の成長を維持させます。小さくなってしまった毛包を大きくし、軟毛化した毛髪を太くコシのある毛髪へと成長させます。
つまり、「毛髪の本数を増やし細くなった毛も太くする」効果があるのです。
臨床データによると、ミノキシジル5%製剤を約6ヶ月、約1年と投与した結果、
投与開始から4週間後には軽度の改善が見られるようになり、8週間後には被験者の10%以上、12週間後には約60%に軽度の改善が見られました。6ヵ月後には90%以上の被験者が改善しました。
被験者の実感としても、投与開始から12週間後で40%以上の人が発毛効果を実感しており、約1年後には90%以上の人が発毛効果を実感しています。
実感しているというのは、見た目にも明らかに改善したという意味です。
では実際の毛髪の本数はどのくらいの変化があったかというと、
1c㎡あたりの40μm以上の太さの毛髪数で、4週間後で0.8本だった増加数が、24週後では25.6本に増加しました。
ミノキシジルは発毛効果だけでなく、現在の髪を太く強いものにする効果も認められました。
もちろん個人差はありますが、被験者の90%以上が効果を認めているというのは凄いですね。実際に私もリアップx5やロゲインを使いましたが大きな効果がありました。
フィナステリドは抜け毛を減少させる効果がありますが、ミノキシジルは抜けてしまった毛髪を再び発毛させる効果があるのです。
フィナステリドがディフェンス(守り)の薬なら、ミノキシジルはオフェンス(攻め)の薬と言えます。
サッカーで例えると、点を取りまくるフォワードですね。メッシやクリスティアーノ・ロナウドのような最強のフォワードです。ガンガン毛を生やします。
フィナステリドは男性にしか効果がありませんが、ミノキシジルは女性にも高い効果が認められています。
女性でも薄毛に悩んでいる方は、試してみる価値があると思います。
女性用のミノキシジル剤として大正製薬からリアップリジェヌが販売されています。
ミノキシジルを使用している私の友人が「ミノキシジルは頭頂部のハゲには効くけど、M字ハゲの部分には効かないらしいよ」と言っていました。
これは半分正しいのですが、半分間違いです。
AGAの脱毛は、前頭部のM字部分から始まり次に頭頂部のO字部分が薄くなっていくパターンが比較的多いです。
ミノキシジルやフィナステリドは一番最近薄くなった場所に一番効果が強く現われるので、頭頂部から効果が出易いのです。
前頭部の生え際などは効果が現われるのに時間がかかるので、それが効かないらしいという誤解を生む原因になっています。
一方で、M字部分は頭頂部に比べて血流が悪くなりやすいので頭頂部に比べると効果が落ちることはよくあります。
ミノキシジルの外用薬と内服薬について
ミノキシジルには、塗るタイプの外用薬と、錠剤で飲むタイプの内服薬があります。
外用薬は用法用量を守って使えば安全性の高い医薬品で発毛効果も大きいので安心です。
一方、ミノキシジルを含有した内服薬を使用するのはリスクが高いと私は考えています。日本皮膚科学会も外用は勧めていますが、内服は勧めていません。
ミノキシジルの内服薬には、ロニテンやロニテンのジェネリック医薬品であるミノキシジルタブレット(略してミノタブ)などがあります。
ミノキシジルの内服薬は発毛効果が非常に大きいです。そのため多くのAGAクリニックでもオリジナル薬に混ぜて処方されています。オリジナル薬とは各病院がフィンペシアやミノキシジルタブレットなどの錠剤を潰して独自に配合し直したAGA治療薬で、詳細な配合量や何の薬を混ぜているのかは直接医師に聞かないと説明されないことが多いです。発毛力を高めるためにミノキシジルの内服薬も配合されていることがあります。
外用薬は頭に塗る薬ですが、人の頭皮には保護バリアーと呼ばれる外部から入ってくる物質を皮膚の奥まで侵入せない仕組みになっています。これにより多くの有害物質から身を守っているのですが、ミノキシジルの外用薬も侵入しにくくなってしまいます。
内服薬は飲むことで体の内部から取り入れるので保護バリアーがなく、ミノキシジルが吸収されやすいので効果が外用薬よりも大きくなると言われています。
ですが、内服すると患部以外の部位にも作用するため副作用も非常に出やすくなってしまいます。
副作用が出やすいのでロニテンは日本国内で未認可どころか、海外のどの国でも発毛剤としては未認可の薬です。
アメリカでは得られる効果に対してリスクが高いとしてFDA(米国食品医薬局)が育毛目的の処方を禁止しています。
日本ではロニテンやミノタブが個人輸入で手に入れられるのですが、血圧降下剤として販売されているのであり、発毛剤としては販売されていません。
しかしそうと知ってか知らずか大きな発毛効果を期待して個人輸入で購入して服用している人も多くいます。
もし効果を期待して服用したいのであれば、専門医に相談して服用しても大丈夫な体質なのか、どの程度の量を服用すればよいのかをしっかりと検査を受けた上で診断してもらうべきです。
ミノキシジル内服薬のメディカルチェックは半年に1度程度行い、血液検査、心電図、尿検査、必要であれば心臓超音波等を行うと良いとされています。使用するためにかなり面倒な検査をしなければならない薬なのです。
ロニテンの副作用としては、全身の多毛化(胸毛、すね毛、眉毛、まつ毛などあらゆる毛が濃くなります)、胸の乳房化(胸が大きくなる)、動悸、胸痛、痒み、顔のむくみ、精子の減少による不妊などがあります。特に全身の多毛化は多くの人に起きます。
もし副作用が出た場合はただちに使用を中止するか、用量を1/2、1/4にするなど減らして飲み方を工夫しましょう。
一方で、ミノキシジル外用薬は日本皮膚科学会も推奨する比較的安全性の高い薬です。内服薬のような副作用の症状はまず出ません。私も外用薬を長期間使用していましたが副作用が出たことはありませんでした。
費用
ミノキシジル外用薬のおおよその価格です。
amazonや薬局でリアップX5プラスを購入する場合は、1か月分で1本7,600円程度。どこの店でもほとんど同じ価格です。
病院で処方される場合は、病院によって大きく差があります。ロゲイン5%の場合、5,000円~8,000円の価格レンジです。
個人輸入代行のネット通販で購入するミノキシジル含有の海外医薬品は、為替レートにも左右されますがおおよその目安としては、ロゲイン5%が約3,500円、カークランド5%が約3000円となっています。
個人輸入で買うのが一番安いですが業者をちゃんと選ばないと危険ですし、病院で買うと時間と手間がかかります。薬局で買っても良いのですが、ハゲ薬を薬剤師さんに説明を受けながら対面で買うのはちょっと恥ずかしいです。私も最初は薬局でリアップを買ったのですが、ちょっとだけ勇気が必要でした(笑)
そう考えると、amazonが一番気軽に買えますね。
病院で処方してもらうのも、個人で購入するのもフィナステリドと同様に一長一短があります。
ミノキシジルを使用する前の注意事項と副作用について
外用のミノキシジルは副作用で大きな問題になるものはありませんが、体質によっては痒みや炎症が起きることもあります。初期脱毛などその他の注意事項などもまとめましたので、以下のリンクを参考にしてください。
ミノキシジルについてここまで見てきました。
まとめると、
①ミノキシジルは発毛をさせる医薬品
②購入先については、病院とネット通販で一長一短がある
③外用薬は注意事項を確認しておく。内服薬はしっかりとリスクを認識する。
ここまででフィナステリドとミノキシジルがどういう医薬品なのかだいたいお分かり頂けたかと思います。
フィナステリドとミノキシジル外用薬の副作用には重篤なものがありませんし、使用を中止すれば回復します。用法用量を守って使用すれば大きな問題はないと思います。
発毛効果や安全性については認可基準の厳しい厚生労働省や、世界中の論文を検証し尽した日本皮膚科学会がお墨付きを与えています。
フィナステリドとミノキシジルは医師の厚い信頼を得ている医薬品ですから、多くの薄毛治療専門外来や皮膚科では簡単な問診や検査の後にこの2つの薬を併用することが基本的なAGA治療法になっています。
フィナステリドとミノキシジルを併用した場合の効果
①フィナステリドでAGAの進行を止めたいのか?
②ミノキシジルで新たに発毛させたいのか?
③AGAの進行を止めて、さらに発毛もさせたいのか?
薄毛で悩んでいれば当然③を選びますよね。最大の効果を発揮させたいです。
フィナステリドとミノキシジルを併用するとディフェンスとオフェンスのダブル効果で劇的に薄毛が改善する人が非常に多くいます。それぞれを単品で使っているより、併用した方が格段に効果が出やすくなります。AGAクリニックのホームページを読むと「当院の薄毛改善率は99%」などと書かれていることがありますが、この2つのAGA治療薬を併用すれば普通にそのくらいの数字が期待できます。病院の治療方法が素晴らしいというよりフィナステリドとミノキシジルが素晴らしい治療薬だということです。
効果が現われるまでに、早い人では3ヶ月ほどで抜け毛が減りうぶ毛が目立つようになってきますが、遅い人では1年かかる場合もあり、効果が出るまでの期間には個人差があります。
平均すると正しく服用した場合で、ほとんどの人に明確な効果が現われるまでには約半年くらいかかります。
地道に用法用量を守って正しく継続することが大切です。きちんと継続さえすればほとんどの人が効果を実感できると臨床データに出ています。
逆に、頻繁に飲み忘れていたり服用をサボったりすればデータ通りの効果が出ないことは言うまでもありませんね。
もし正しく使用し続けたにも関わらず半年以上経っても全く効果が現われない場合は、AGAの進行が進み過ぎて毛乳頭細胞の寿命が尽きているか、毛包の老化が進んでいるか、他の病気による脱毛の可能性もあります。病院に行くなどして別の治療法を模索した方が良いと思います。
発毛に成功した後はどうするのか
発毛成功後はミノキシジルの使用を中止しフィナステリドの服用だけにしても、毛髪は維持できます。発毛が十分に成功したら今ある毛髪を維持していく作戦に切り替えていくわけです。
切り替えた後になって、もしまた薄毛が気になるなと感じてきたら、ミノキシジルの使用を再開して発毛させるというやり方にすれば、手間とコストが抑えられて良いでしょう。
成功したからと言って、フィナステリドもミノキシジルも使用を停止すると、数ヶ月で毛髪は元の状態へ戻ってしまいます。毛髪を維持するには長期間使用し続けることが必要です。
薬の服用を続ける必要がなくAGAが完治する方法があれば一番良いのですが、今の医学ではまだそれに近い治療法は自毛植毛やメディカルSMPくらいしかありません。
AGA治療薬の基本は以上です。AGA治療薬によって50歳以下の人の98%が薄毛を改善できています。
私もミノキシジルを使って薄毛治療が成功しました。つるつるになっていた部分にうぶ毛が生えてきた時は心底ワクワクしました。マジで生えてきた!!とめちゃくちゃ嬉しかったのを覚えています。このまま治療を続けようという気も自然に起きてきました。
その後、見事にAGA発症前の髪の毛を取り戻しました。現在はプロペシアで順調に髪の毛を維持できています。
みなさまにも是非発毛を成功して頂いて、喜びを感じて欲しいなと願っています。
(関連記事)
多くのAGAクリニックや皮膚科などの病院では、AGA治療薬を処方する他、育毛環境を整えるためにシャンプーや食べ物などのアドバイスや栄養補助としてサプリメントを処方したりしています。
AGA治療はフィナステリドとミノキシジルと合わせて、シャンプーや生活習慣を見直すことで効果が上がります。
体質に合っていないシャンプーを使っている人や喫煙者の人は、薄毛治療を良いきっかけとして改善してもいいかもしれませんね。