抜け毛が気になる人に教えます。何本抜けたらヤバい?
頭を洗ったら髪の毛がたくさん抜ける
ドライヤーで髪を乾かすと髪が抜ける
朝起きた時に、枕元に髪の毛が落ちている
排水口に溜まった髪の毛の量がえげつない
これらのことが気になり始めると、「あれ?ハゲ始めているのかな?」と不安になりますよね。
髪の毛は毎日自然に抜け落ちて生え変わりますが、普通は何本くらい抜け毛があるものなのでしょうか?
逆に、何本の抜け毛が確認できたら薄毛になり始めていると言えるのでしょうか?
この記事ではそんな疑問にズバリと答えを出します。
毎日、自然に抜ける髪の毛の本数
髪の毛は1日に50~150本抜けると言われています。
生まれつき毛量が多い人は抜け毛の数も多少多くなりますし、毛量の少ない人は抜け毛の数も少なくなります。
季節によっても変動があり、季節の変わり目や特に秋には多く抜けます。秋には1日に200本ほど抜ける人もいます。ですから、夏と比べて秋に抜け毛が多くなっても心配する必要はありません。
これだけ毎日たくさんの髪の毛が抜けていますが、目に見えないだけでちゃんと新しい毛も生えてきています。そのため毛量は減らないのです。
1日のうちで一番多く抜けるのは洗髪時で、数十本が抜け落ちます。
頭を洗うことで元々抜けそうだった髪の毛がスポっと抜けたり、日中に抜けた髪の毛がまだ頭に残っていてそれが洗い流されて落ちたりするので、洗髪時に抜け毛が多くなります。
シャンプーの白い泡の中に髪の毛が何本もあると不安になりますよね。排水口に溜まった毛はさらに多く見えます。でも頭を洗えば髪の毛は数十本抜けるのが当たり前で、実は誰もがたくさん抜けているのです。他の人のシャンプーをしているところを凝視して抜け毛を数えることなんてしないので、自分だけが大量に抜けているのではないかと心配になりがちですが、そんなに心配はしなくて大丈夫です。
ここで疑問に思う人もいるでしょう。
「1日に50~150本抜けるって言うけど、どうやって数えたんだよ?」と。
良い質問ですね!! 髪の毛は私たちが気づかないうちに抜けていますし、1日の抜け毛の本数なんて簡単に数えられるものではありません。
そこで次のような計算がされています。
髪の毛全体の約85%~90%はヘアサイクルの成長期と呼ばれる段階にあります。髪が元気に成長し続けている状態です。
残りの10%~15%はヘアサイクルの退行期と休止期にあります。これは髪が抜け落ちる前段階です。
成人の髪の毛の数は平均で約10万本ありますので、退行期から成長期に移行する4か月~5カ月の間に約1万本~1.5万本が抜ける計算になります。
つまり、1日に抜ける髪の毛の本数は以下のようになります。
(約1万本~1.5万本)÷(120日~150日)=約66本~約125本
この数字に個人差、季節性などを加味して大雑把に言えば50本~150本程度だろうとされているわけです。
1日に150本も抜けると聞くと体感しているよりも凄く多いなという感じがしますけど、髪の毛が多い人や抜け毛の多い季節であれば自然な抜け毛の本数なのです。
自分の毛量が多い方なのか少ない方なのかを知るには、美容師さんや理容師さんに尋ねてみると良いですよ。何千、何万人の頭を見ている経験から客観的に答えてくれます。私の場合は昔からどこの美容院に行っても、こちらから聞かなくても「髪が多いですね」と言われてました。ですから私は抜け毛の数も普通の人よりかなり多いですね。
自然な抜け毛と、脱毛症による抜け毛の見分け方
実は抜け毛の本数よりも、抜けた毛の形を見ることの方が重要です。先ほども述べたように抜け毛の本数を確認することは難しいので、抜けた毛の形を見た方がより症状が分かりやすいです。
自然な抜け毛は、しっかりと成長しきった毛が抜けるので以下のような特徴があります。
・髪の毛の先端部分がハサミで切ったようになっていて、細くなっていない。
・毛根が丸みを帯びており、楕円形をしている
・根本から毛先までの太さが同じ
このような抜け毛は自然に抜け落ちたものなので心配は要りません。
脱毛症による抜け毛は、成長しきっていないのに抜けてしまっているので以下のような特徴があります。
・毛根が細く、丸みを帯びていない。白っぽい色をしている。
・毛根からしっぽのような細いものが出ている。
・髪の毛の長さが短く、直径が細く、毛先に向けて先細りしている。
・うぶ毛のような毛が多い。
・毛根に粘着力があり他のものにくっつきやすい。この場合は毛根組織が残ったまま抜けている状態か、過剰な皮脂の分泌によって抜けていることが多いです。
抜け毛のほとんどがこれらの特徴を持っていたら相当危険です。逆に、このような特徴を持った抜け毛を発見しても、抜け毛全体の10%ほどであればそんなに心配は要りません。
頭を洗った時に何本の髪の毛が抜けたらヤバいのか?
洗髪時の抜け毛の本数は、1日のうちの50%~70%になると言われています。そのため、頭を洗い流す時に髪の毛まで流れないようにして抜け毛の本数を数えると、だいたいの1日の抜け毛の本数が分かります。
例えば、洗髪時の抜け毛の本数が50本なら、1日の抜け毛の本数は約71~100本なので平均的です。
洗髪時の抜け毛の本数が100本なら、1日の1日の抜け毛の本数は約142~200本なので、毛量や季節などによっては危険信号が点滅しています。
実際に数えようとすると排水口に流れてしまうのでなかなか難しいですが、髪が排水口に流れにくいようにする商品などがありますのでそういったものを使って数えてみましょう。
ちなみに、私がAGAを発症したときはシャンプーをしただけで軽く100本以上抜けました。ミノシシジル外用薬(リアップ)の初期脱毛の時は150本以上抜けました。地獄に落ちた気分でした(笑) (参考:AGA体験記1)
枕元に何本髪の毛が落ちていたらヤバイのか?
まず寝る前に枕元をコロコロなどを使って綺麗に髪やホコリを取っておきましょう。それから寝て、起きた時に何本抜けたかをチェックします。
寝ている間に寝返りをうったりして頭がこすれると髪が抜けやすくなりますが、寝返り程度の摩擦で抜けるのは放っておいても自然に抜ける毛です。3~5本程度なら枕元に落ちていても全く気にすることはないでしょう。
また、寝る前に髪を洗わない人は洗髪で抜け落ちるはずの髪がまだ頭についたままですので、その分だけ寝ている間に抜け毛が多くなります。それでも10本程度が目安です。
問題はそれ以上抜けている人です。ただ寝ているだけで一晩の間に20本近く抜けている場合は要注意です。
ちなみに私がAGAを発症した時は寝ているだけで10本以上毎日抜けていました。朝から恐怖体験です(笑)
抜け毛の本数以外のチェックポイント
個人差や季節性があるので、抜け毛の本数だけでハゲ始めたかを判断するのは簡単ではありません。先に述べたように抜け毛の形で判断したり、以前と比べて多くなったかを比べることも重要です。その他にもどのようなことに注意してみればいいのかを挙げました。
・細い毛がたくさん抜ける。
抜け毛のうち10%ほどなら心配はいりませんが、30%以上など明らかに多い場合は要注意です。
・額が広くなる。
「額が広くなった気がする」だけなら思い込みのことが多いです。記憶力はあてになりません。毎月写真を撮って見比べるなどして客観的に確認してみましょう。
・ボリュームがなくなった。コシがなくなった。
AGAが進行すると1本1本の髪が弱くなるので、髪型をセットするときの感覚が変わってきます。
・家族や親しい人に一年以上ぶりに会ったら薄毛を指摘された。
過去の記憶がしっかりとある第三者に指摘されたら、自分が気づかないうちに薄毛が進行しているかもしれません。
・季節が変わっても抜け毛が減らない。
秋などには抜け毛が多くなりますが、冬になり春になっても一向に抜け毛が減らないときは注意です。
・急に抜け毛が増えた。
一気に抜け毛が増えた場合は、なんらかの疾病の可能性もあります。
過度な心配はしない
人は「信じたいものを信じ込もうとする」「見たいものだけを見る」という性質を持っていると心理学では言われています。
ハゲるかもしれないと一旦思い込んでしまうと、抜け毛を異常に気にしたり、「あれ?生え際上がってる気がする」と思い始めたり、風呂あがりに濡れたつむじを見て「やっぱり薄いじゃん」と思ったりします。
思考にバイアス(偏り)がかかって、客観的で冷静な判断ができなくなってしまいます。さらに自分の考えを正当化したいがために、「そういえば最近ストレスが多いから…」とか、「睡眠時間が短いしな…」とかいろいろな理由を探し始めます。どんどん深みにのめり込んで行ってしまいます。
抜け毛は150本あっても問題ありません。生え際の確認はあいまいな記憶には頼らず1か月前や1年前の生え際の写真と見比べてから判断するべきです。髪を濡らせば誰でも頭皮がより見えるようになります。ストレスや睡眠不足はAGAの発症原因ではありません。そういう当たり前のことを見落とさないように気をつけましょう。
誰でも過度に不安になると、普通のことが普通に判断できなくなってしまうのです。とくに若い人にこういった思い込みをする人が非常に多いです。毛量が多くフサフサの人でも一旦思い込んでしまうとハゲるハゲると騒ぐ人もいますので、冷静に客観的に考えることを心がけましょう。
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