スカルプシャンプーで頭皮ケア おすすめのシャンプーも紹介します
そろそろ薄毛対策をしたいなぁと思っている男性に注目されているのがスカルプシャンプーです。
アンファー株式会社がお笑い芸人の宮迫博之さんを起用して『スカルプD』のテレビCMなどの広告をバンバン行ったことで、スカルプシャンプーという言葉が一気に世の中に広まりました。
起用時に宮迫さんは薄毛で悩んでいて、スカルプDを使い始めてから薄毛が改善していったので、「スカルプD=毛が生える」というイメージが植え付けられました。
では、実際にスカルプDに代表されるスカルプシャンプーというジャンルのシャンプーはどんなものなのか?
この記事で詳しく解説します。
目次
スカルプシャンプーの特徴
スカルプシャンプーという言葉には明確な定義はありません。
どんな成分が使われているシャンプーであっても、スカルプシャンプーと名乗ることができます。
一般的な傾向としてスカルプシャンプーの特徴を一言で言うなら、「頭皮をケアすることに重点を置いたシャンプー」です。
スカルプとは頭皮という意味です。スカルプシャンプーとは頭皮用シャンプーという意味になりますね。
従来は「シャンプーは髪の毛を綺麗にするもの」と考えられてきました。企業のシャンプー開発現場においても、髪の毛のキューティクルを輝かせたり、洗い上がりや指触りを良くすることに重点を置いて、新製品のシャンプーを次々と開発してきました。長い髪の女性がキラキラサラサラの髪の毛をなびかせるテレビCMをいつも流してきたのはご存知の通りです。
しかし近年では、「髪を育てるのは頭皮」「頭皮を健康にすることで髪が綺麗になる」という考え方にシフトしてきています。植物に例えるなら、肥沃で良質な土に種を植えて植物をすくすくと育て、綺麗な花を咲かせようということです。
そこで「頭皮を健康にするシャンプー」というコンセプトで企業が商品開発をするようになり、スカルプシャンプーと呼ばれるジャンルが生まれました。そのため広告戦略も変化していて、頭皮を洗うというイメージのシャンプーのCMが増えています。
従来のシャンプーは洗浄力や刺激が強く頭皮にダメージを与えてしまうことがありましたが、スカルプシャンプーは洗浄力をマイルドにして、頭皮に低刺激の成分を使っているものが多いです。そのためスカルプシャンプーの多くはアミノ酸系と呼ばれる成分を主成分にしています。
薄毛は治せない
薄毛の人が一番気になっているのは、「スカルプシャンプーを使えば薄毛が治るの?」という点。
残念ながら「スカルプシャンプーに発毛効果はない」です。
実はどのメーカーも発毛効果があるとは言っていません。もしそれを言ってしまうと虚偽記載・誇大広告なので薬機法違反になります。
しかしスカルプDがまるで薄毛が治るかのうような連想をさせるCMや広告を大々的に行っていたため誤解が広がっています。
引用元:お笑いナタリー
広告塔になった宮迫さんもスカルプDで薄毛が治ったとは言っていません。私はある番組で芸人さんたちから「宮迫はスカルプDで髪の毛が増えたんやろ」とイジられている宮迫さんを観たことがあります。そのとき宮迫さんは困った表情をうかべるだけで何も言いませんでした。「そうだ。スカルプDで生えたんだ」とは言わなかったんです。それを言ってしまうと薬機法違反になるからです。
実はスカルプDの広告には「頭皮治療との併用」で薄毛が改善したと小さな字で記載されています。スカルプDはヘアメディカルなどのAGAクリニックのグループと共同開発されたものなので、どんな頭皮治療が行われたかは想像がつきます。おそらくAGA治療薬やメソセラピーによるものでしょう。
つまり、宮迫さんの髪が生えたのは、スカルプDではなくAGA治療薬の効果によるものだと想像がつきます。
AGA治療薬を使いながらスカルプDを使用することで「スカルプDを使っている間に薄毛も改善された」と言えるというわけです。ギリギリ嘘ではありません。しかし、消費者はその広告を見て「スカルプDで髪が生えるんだ」と勘違いしてしまったのです。
(私はこういう印象操作のような汚いやり方が許せないなので、スカルプDを買う気に全くなれません。巨額の広告費もシャンプーの価格に上乗せされているでしょうしね笑)
しかし、薄毛を治せないからと言ってスカルプシャンプー全部がインチキ商品ということではありません。
低刺激で頭皮に優しく、適度な洗浄力も兼ね揃えた良い商品はいくつもあります。
頭皮環境を整えることによって、健康な髪の毛を育てる土壌を作ったり、フケやかゆみなどの症状を予防することにもつながります。
スカルプシャンプーに適している人
スカルプシャンプーで頭皮環境が改善した人は以下のような特徴があります。
・乾燥肌
肌がカサカサになりやすい、冬になると白い粉をふいてしまう、乾燥性のフケが出る
・敏感肌
ストレスや体調の変化で肌荒れが起きやすい、ニキビができやすい、服がすれたりするだけで肌に違和感が出る
・皮脂の分泌量が少ない
髪がいつもパサついている、1日くらいなら頭を洗わなくてもベタつかない
・頭皮に疾患(炎症など)がある人
フケが出る、頭皮に炎症がある、アトピー性皮膚炎・脂漏性皮膚炎などの疾患がある
・女性
女性は乾燥肌、敏感肌の人が多いです。
スカルプシャンプーは基本的に低刺激性のものが多いので、肌の弱い人や頭皮トラブルに困っている人に向いています。
特別な病気でないなら、まずは第一選択肢として試してみると良いでしょう。
洗浄力がマイルドなので必要な皮脂まで洗い流してしまうことはありません。そのため、皮脂の分泌量が少ない人や乾燥肌の人は頭皮環境が大きく改善することもあります。
低刺激性のものは肌に負荷をかけることもありません。アトピー性皮膚炎などの皮膚の刺激に弱い人でも使える商品があります。
男性用と女性用のシャンプーについて
男性向け、女性向けなど、性別にターゲットを絞って成分を変えている商品があります。
人の肌は男性と女性でほとんど性質は変わりませんが、唯一異なる点は皮脂の分泌量です。
男性ホルモンの影響で男性の方が皮脂の分泌量が多い傾向にあります。
そのため、男性向けのシャンプーは比較的洗浄力が強めの成分が配合されています。しかし洗浄力が強い成分は刺激もその分強くなる傾向があるので、男性であっても皮脂の分泌が少ない人や肌が弱い人はメンズ用にこだわる必要性はまったくありません。また男性用は洗い上がりのスッキリ感を出すためにメントールが配合されいることも多いです。
メンズシャンプーで気をつけて頂きたいのは、あまりにも洗浄力が強いと皮脂の分泌量が多い人でも皮脂を取り過ぎてしまうことがあるという点です。
皮脂は頭皮のバリアとなり紫外線から守る役割があるのですが、取り過ぎてしまうことで頭皮が紫外線にさらされます。すると、頭皮のDNA組織がダメージを受けて皮膚がんなどになる危険性が高まります。それを回避するために頭皮は皮脂の分泌量をさらに増やします。メンズシャンプーの高過ぎる洗浄力のせいでさらに皮脂の分泌量がさらに多い肌質になってしまうことがあるのです。
女性用のシャンプーは比較的洗浄力が弱い成分が配合されています。女性は皮脂の分泌量が少ない人が多いためです。また女性は敏感肌の人が多いので、保湿系成分も重視されている商品が多数あります。そのため、女性でも皮脂の分泌量が多いが多い人が女性向けのシャンプーを使うと、洗浄力に物足りなさを感じてしまうことがあります。
肌質は個人差が大きいので、男性用・女性用と別れていてもあまり気にする必要はありません。男性がレディースシャンプーを使っても良いし、女性がメンズシャンプーを使っても問題ないです。
成分を確認して自分に合いそうなシャンプーにあたりをつけて、実際にそのシャンプーを使って肌質に合うかどうかが一番重要です。
シャンプーは、とりあえず使ってみないことには分からないですね。
スカルプシャンプーに入っている成分
スカルプシャンプーの多くはアミノ酸系シャンプーです。
アミノ酸系シャンプーとは、アミノ酸系成分と呼ばれる「低刺激で洗浄力が弱め~適度な成分」が主成分のシャンプーです。
具体的には、ラウロイルメチルアラニンNa、ココイルグルタミン酸TEAなどの洗浄成分が主原料となっています。
アミノ酸系シャンプーについては、詳しくはこちらの記事を参照してみてください。
スカルプシャンプーには薬用シャンプーもあります。
薬用シャンプーとは医薬部外品のシャンプーのことで、フケやかゆみを抑える有効成分が入っています。
薬用スカルプシャンプーは、アミノ酸系の洗浄成分をベースにして、フケやかゆみに効果のある有効成分を配合してある商品が多いです。
薬用シャンプーについてはこちらの記事を参照してください。
一部には酷い商品もあります。
高級アルコール系と呼ばれる原価が安く刺激の強い原料を主成分として使って、スカルプシャンプーと名乗っている商品もあります。
「毛穴にたまったアブラや汚れをしっかり取り除いてスカルプケア!!」などと宣伝していますが、強すぎる洗浄剤を使っていて頭皮への刺激も高い粗悪な商品です。頭皮をケアするものでも何でもありません。
洗浄力がありすぎて必要な皮脂まで落としてしまったり、肌の弱い人は強い刺激によって荒れてしまうこともあります。
スカルプシャンプーという言葉には明確な定義がないため、それを自由に使って売るための材料にしているんです。
シャンプーにどんな成分が使われているのかをちゃんと確認してから購入しましょう。
おすすめのスカルプシャンプー
肌質ごとにおすすめのスカルプシャンプーを紹介します。
肌質は人それぞれ異なりますし、仕上がり感や香りなどの好みもあります。実際に合うかどうかは使ってみなければ分かりませんが、ファーストチョイスとして試す価値のあるシャンプーを紹介します。
100種類以上のシャンプーの成分表を見比べて選定したので、10時間以上もかかって物凄く大変な作業でした。もう2度と同じことはしたくありません(笑)
使用されている成分に重点を置いてドライに判断したので、商品パッケージや広告のアピール文とは全く違った視点の説明文になっています。
乾燥肌、敏感肌、冬に乾燥気味になる人
乾燥肌の人や、普通の肌質だけど冬には少し乾燥するかなという人におすすめなのがオーロラシャンプーです。
洗浄成分にアミノ酸系のみを使用している純正のアミノ酸系シャンプーです。とても低刺激で、髪や頭皮を優しく洗えます。洗浄力は弱めなので必要な皮脂まで洗い流してしまうのを防いでくれます。逆に、皮脂の分泌が多めの方には洗浄力が足りないことがあるかもしれません。
非常に低刺激な上に、頭皮のコンディションを整えてくれる成分が配合されており、安心して使えるシャンプーです。育毛効果を狙った成分も配合されています。
(洗浄成分)
ココイルグルタミン酸TEA
頭皮や髪の毛への刺激がほとんどなく、泡立ちを良くしたり、しっとり感の出やすい洗浄成分です。
ココイルメチルタウリンNa
赤ちゃん用のシャンプーにも使われているほど刺激が小さく、泡立ちが良いです。洗浄力はマイルドです。
ココイル加水分解コラーゲンK
保湿やきめ細かい泡立ちが特徴です。皮脂を落とす力は非常に低いです。
天然由来の弱酸性アミノ酸成分が主体になっており、低刺激・優しい洗浄力・快適な洗い心地・保湿力などに配慮された構成です。
(その他)
各種エキス、セラミド類などの成分は、保湿・抗酸化作用で頭皮のコンディショニングを整える効果を狙ったものです。また、アセチルテトラペプチド-3(キャピキシルの成分)、ピロリジニルジアミノピリミジンオキシド(ミノシジル誘導体とも呼ばれます)、アカツメクサ花エキスと言った育毛成分も配合されています。
頭皮の健康を目的としたスカルプシャンプーらしい構成と言えます。
ローズの香りはしつこくなく多くの人に好評です。基本的にコンディショナーやトリートメントは不要ですが、ノンシリコンのため髪を乾かすと多少ギシギシ感が出る人もいるので、その場合は併用した方が仕上がり感が良くなります。
2本で3,898円なので1本1,949円と高品質なアミノ酸系シャンプーのわりに高くありません。コンディショナーやトリートメントも必要ないですしね。1本1,949円はお試し定期コースで、いつでも解約可能なので安心です。
公式サイト⇒ オーロラシャンプー
乾燥肌でフケ、かゆみが気になる人
髪美力(販売終了)
フケやかゆみが気になる人には2つのパターンがあります。
1つは脂性肌でフケが出る人。この場合のフケが出る症状は、脂漏性皮膚炎と言って皮脂の分泌が多い人がなりやすい病気です。ニゾラールシャンプーやコーラジュフルフルシャンプーを使った方が効果的です。
2つ目は乾燥肌でフケが出る人。頭皮に残る皮脂が少なかったり、保湿性が低かったりすることで、細かいパラパラとしたフケが出ます。この場合は、皮脂を落とし過ぎないマイルドな洗浄力と、保湿性や抗炎症作用のある成分が入っているシャンプーを選びましょう。
美髪力は乾燥肌でフケが出るタイプの人に向いています。フケ・かゆみに効果のある有効成分が含まれた薬用シャンプーです。
(有効成分)
ピロクトンオラミン
抗真菌作用があります。フケの原因となる真菌の増殖を抑える効果があります。
グリチルリチン酸ジカリウム
抗炎症作用があります。荒れて痛んでしまった頭皮に効果的です。
(洗浄成分)
N-ヤシ油脂肪酸アシル-DL-アラニントリエタノールアミン液(ココイルアラニンTEA)
アミノ酸系の洗浄成分です。髪の毛に優しく、適度な洗浄力を持っています。頭皮への刺激も少ないです。
N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム液
アミノ酸系の洗浄成分です。泡立ちが良く、サッパリ感のある洗い心地です。
ラウリン酸アミドプロピルベタイン液
低刺激、低洗浄力の成分です。補助的な洗浄剤として使われます。
適度な洗浄力と、低刺激性を重視した構成です。
(その他)
各種エキスは抗炎症、保湿、血行促進などを狙った配合です。髪の毛を補修するような成分は入っていないので、フケやかゆみ以外にも髪の傷みが気になる人はコンディショナーやトリートメントも併用すると効果的です。
成分を見ると、フケやかゆみの頭皮トラブル対策に特化したスカルプシャンプーであることが分かりますね。
イチロー選手が登場するCMでお馴染みの栄養ドリンク・ユンケルと同じ、佐藤製薬が製造販売しています。
(2019年3月追記)
残念ながら美髪力は販売終了しました。いいシャンプーだったのに。。。
頭皮が脂っぽい人、髪がベタつきやすい人
しっかりと洗えるアミノ酸系の洗浄成分が主成分となっていて、なおかつ低刺激性というバランスの良いシャンプーです。
脂性肌の人はできるだけ洗浄力の高いシャンプーを使いたくなりますが、あまりにも強いと必要な皮脂まで取り除いてしまい、頭皮が足りない皮脂を補なおうとして余計に皮脂の分泌を活発化させてしまうことがあります。そのため、ある程度の洗浄力は必要ですがあり過ぎるのも困りものです。
その点で、ハーブガーデンシャンプーはバランスの良い配合になっているので皮脂の多い人でもしっかり洗えて、長期的に使うのに適しています。
(洗浄成分)
ラウロイルメチルアラニンNa
アミノ酸系の中でも洗浄力が高い洗浄剤です。頭皮に優しくしっかり洗えるシャンプーに配合されていることが多いです。
ココイルグルタミン酸
アミノ酸系洗浄剤で、適度な洗浄力と刺激がほとんどないという特性を持っています。
ココアンホプロピオン酸Na
アミノ酸系に似た性質を持つ界面活性剤です。マイルドな洗浄力と低刺激性が特徴の成分です。
しっかり洗うという目的と、低刺激性を兼ね揃えたバランスの良い構成になっています。
(その他成分)
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa(ペリセア)などの補修成分やオイル成分で、髪の毛にうるおいを与える設計になっています。また各種エキス類や保湿成分によって頭皮環境を整えます。
オーガニック成分が主体なので、肌への刺激が気になる人や植物性のものが好きな人にとっても理想的なシャンプーです。
脂性肌の人は頭皮のにおいも気になるところですが、皮脂を適切にコントロールすることで嫌な臭いを抑えることができます。
我が家でも嫁さんが気に入って使用しています。
公式サイト⇒ 【半額モニター募集中】ハーブガーデンシャンプー
スカルプシャンプーには非常に品質の高い商品から、詐欺のような商品まで様々なものがあります。
この記事で紹介したような品質の高いシャンプーであれば、様々な頭皮や髪の悩みを抱えた方の助けとなってくれます。
シャンプーは毎日、しかも何十年も使うものなので、自分の体質に適したものを選びましょう。
市販のシャンプーに比べると値段が高いものが多いですが、アミノ酸系洗浄成分は原価も高いので仕方ないところです。値段の分だけ品質はしっかりと高いので、お金を払って良いものを買うか、お金をケチって粗悪なものを買うかという選択になりますね。
(関連記事)
⇒ リンス、コンディショナー、トリートメントの違い。何を使うべき?
⇒ 育毛シャンプーでミノキシジルのように髪が生えるって本当?
(追記)
コラージュフルフルスカルプシャンプーを購入して、実際に使ってみました。
脂漏性皮膚炎の方や、脂性肌でフケやかゆみに悩んでいる方にはお勧めのスカルプシャンプーです。
レビュー記事を書いたので、よろしければ参考にしてみてください。
⇒ コラージュフルフルスカルプシャンプーを実際に使って、評価します