悪質な育毛剤 誇大広告や偽りの情報に注意!!

 

残念なことにヘアケア業界には非常に多くの悪質な業者がいます。

発毛効果がほとんどない育毛剤を「体験者の多くが発毛を実感した」と偽ったり、ほとんど効果のない薄毛治療器を「当社が独自に研究し高い改善効果を実証した」と偽ったり、マッサージと医薬部外品の育毛剤のセットを数十万円で売るヘアサロンがあったりと、消費者の損得は一切考えずに消費者のサイフの中身だけを戴こうと目論んで、あの手この手を使って育毛剤を買わせることだけに必死な業者が数多くいます。

近年ではフィナステリドとミノキシジルが上市されてからは、効果がないのに効果があると謳って騙して稼いでいたヘアサロンなどの勢いが落ち、AGAクリニックが営業攻勢をかけるようになりました。科学的根拠も実際の効果もない治療が駆逐され、科学的根拠に裏付けされた高い効果がのある治療が広まりつつあります。これは世の中の流れとしては正しい方向に進んでいるので歓迎すべきことです。

しかし、悪質な業者は後を絶たず、現在ではインターネット上でステマサイトや口コミ掲示板などを使って、消費者の購買意欲を煽り、購入サイトへ誘導しています。特にAGA治療情報を載せているサイト(育毛関連のアフィリエイトサイト)に注意してください。

ヘアケア市場規模は全体で4414億円、発毛・育毛剤市場は654億円と言われています。(2014年度 矢野経済研究所調べ)

薄毛で悩む人のニーズはこれだけ大きいので、そこに目をつけて稼ごうとする悪質な業者は後を絶ちません。

どんなに粗悪な商品でも、効果があったとする口コミ情報や誇張した表現で効能を宣伝しある程度のブームを作ることができれば、たった数ヶ月で数億円単位で儲かります。

薄毛で悩む人は1300万人いると言われているので、もしそのうちの0.07%(1300人に1人)が1万円の育毛剤を1本買ったら、それだけで1億円の売上になるのです。誇大広告だろうと薬機法違反だろうと、とにかく煽りまくって短期間で売りまくれば一生遊んで暮らせるお金が手に入ります。仮に行政から指導があっても逮捕されることは稀ですし、逮捕されても初犯なら普通は執行猶予付きの処罰で済みます。前科がなく、犯罪をすることにも抵抗がなく、お金が欲しいなら、悪に手を染める人は次々と出てきます。これは違法風俗も同じですね。免許を取らなかったり、違法なサービスを提供する店を出せば、1~2年で1億円くらいなら楽に稼げます。捕まっても同じく初犯なら刑務所に入ることはありません。現在の法体系ではまさにやったもの勝ちのような状態なのです。

私たちはこのような状態を嘆いていても意味がありません。法律が変わるまでは何も変わりません。

私たちがすべきことは騙されないために知恵をつけることです。

悪徳業者は必ずと言っていいほど商品を売るために煽ります。商品の効果を嘘をついてでも煽ります。そして薄毛で悩む人の不安も煽ります。ターゲットを感情的にすることで冷静な判断力を失わせるためです。

よく使われる宣伝文句はこのようなものです。薬機法違反の表現も多くあります。

「3ヶ月継続して使えば必ず発毛します」

「〇〇ランキング1位」

「98%の方が効果を実感しています(社内調べ)」

「ミノキシジルと同等の効果があると実証された」

「全額返金保証します」

効果があると試験データで裏付けられたという売り込みも多いのですが、ほとんどが社内調べであり信用のおける第三者調べではないことが多いですね。第三者調査をしている場合でも、聞いたこともなければネット検索してもホームページすら出てこない謎の研究所や組織が調べている場合もあります。

試験データは第三者のチェックを受けて初めて意味をなすもので、社内調べのデータはでっちあげただけの嘘データのこともあります。怪しんで受け止めるべきです。

たまに被験者がたった5人しかいないデータを持ち出して『効果を実証』などと言うものまであるので呆れます。医学的な効果を確認するには最低でも数百人規模の臨床試験データが統計学上必要です。医学・薬学・統計学の基本を無視して営業トークをしている業者が、そもそも本当に試験を行っているのか怪しいものです。

アンケートなども同様ですね。1000人にアンケートをした結果〇〇%の人が効果を実感などという自我自賛もよく見ますが、本当にアンケート調査したのか証拠を見せてくれることはないですよね。「満足度98%」(当社調べ)というような宣伝は実に多くの育毛剤のサイトの購入ページで見かけます。どの育毛剤もそんなに顧客を満足させているなら、誰も薄毛で悩んでませんよね(笑) ほとんどは嘘なのでしょう。複数の新聞社が行う世論調査のように信頼できる複数の組織の平均を取れば信頼できる数字になるはずですが、どの育毛剤もそういった調査は自社調べばかりなんですよね。

全額返金保証という言葉は巧みです。だいたい返金保証には期間があります。30日とか、3週間とか。実際に使っても効果などあるわけがないことに気付いて、返金してもらおうと電話をすると「効果が現われるには最低3ヶ月はかかります。まだ1か月で解約してしまうのは損ですよ」「箱を開けてしまったらダメです」など、とにかく理由をつけて返金させないようにします。返金に同意しても、いつまで待ってもお金が振り込まれることのないまま、数ヶ月後には業者と連絡が取れなくなっている・・・ということもあるようです。

ですから返金保証という言葉を鵜呑みにしてはいけません。本当に返金される仕組みになっているのかよく確認しましょう

また、悪質な業者の売る育毛剤などは、消費者が買うことを躊躇するような情報は絶対に言いません。医薬品でない育毛剤のサイトで使用上の注意などを強く注意喚起していることはまずありません。医薬品との大きな違いですね。

逆に、医薬品は副作用を明確に公開しています。例えば、フィナステリドは女性は絶対に触れてはいけないとか、ミノキシジルは血圧に問題のある人はまず医師に相談してくださいとか。これは患者が聞けば使いたくなくなるマイナスの情報ですが、医薬品ですので副作用を隠すことは法律上できません。法的な規制によってマイナスの情報も隠さず開示していることで信頼性は高まるのです。臨床試験結果は厚生労働省がきっちりチェックしていますし、医師も患者に投与して実際に副作用の発現率を確認しています。医薬品には「信頼のできる第三者のチェック」がしっかりと入っているわけです。

一方、悪質な業者が売る育毛剤は、もし副作用があっても絶対に言いません。ネガティブな情報があればそれを逆手に取って売り込んできます。一見ネガティブなことを言いながらも販売に結び付くように煽る手法です。例えば、口コミサイトで「副作用はあったけれど発毛したことが嬉しい」とか、「薬機法違反でも効果があることが重要なので使い続けます」などと書き込み、読み手に「そうか、生えるなら少しくらいの問題は目をつぶるか」と思わせるように仕向けてきます。この手の手法に決して騙されないでください。

 

つい最近もこのような事件がありました。育毛剤ではありせんが基本的な手口は同じです。

効能うたい 未承認精力剤販売の疑い、男ら逮捕

「飲むだけで精力回復を実現」などと効能をうたい、医薬品の承認を受けていない精力剤を販売したとして、健康食品会社の社長らが警視庁に逮捕されました。
 逮捕されたのは東京・港区の健康食品会社社長、小檜山良容疑者(37)ら3人で、去年3月から6月頃にかけて「飲むだけで精力回復を実現」などと効能をうたい医薬品の承認を受けていない精力剤「The GOLD」を販売するなどした疑いが持たれています。
 小檜山容疑者らは2010年以降、インターネットで1万7000人を超える男性客に精力剤を販売し、およそ5億6000万円を売り上げていたということです。

(2016年6月9日 TBS Newsiより引用 http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2793104.html)

記事を読む限りではおそらく薬機法違反容疑での逮捕ですね。育毛剤でも精力剤でもうまく売り捌けばこのくらいの利益が期待できるので、悪質な業者はこれからも絶え間なく現れ続けるでしょう。

 

アフィリエイトサイトでも同様で、広告主のサイトへ誘導するために嘘の効果を煽り立てているサイトが多数あります。上記の事件の精力剤もアフィリエイト広告を出しており、その精力剤の広告を貼っているアリフィエイトサイトも多数あったようです。実際にその広告を扱っていたアフィリエイターをツイッター上で見かけました。その人のサイトではランキング形式で1~3位まで逮捕された業者の商品を紹介していたとのこと。フォロワーが3000人くらいいる有名なアフィリエイターの方で、そんな人でも違法な商品を紹介しているのだと知って私は非常に残念な気持ちになりました。金のためなら何でも売るんですね。モラルも人間性も何もありません。

育毛剤をランキングで紹介しているサイトなどはほとんど胡散臭いものばかりです。一体どんな客観的データに基づいてランクづけしているのでしょうかね? そのランクには読者の利益となる正当性があるのでしょうか? 本当のところはそのアフィリエイターが儲かりやすい商品をランキングの上位に表示しているだけだと推察できます。amazonのレビューでは半数以上が効果なしと言っているのに業者が広告でアピールしている顧客満足度は90%以上というように、実態がかけ離れている育毛剤をランキング上位にしてアフィリエイト広告を張っているサイトがたくさんあります。

間違った情報を垂れ流しているアフィリエイトサイトの特徴は上記の他にもあります。詳しい人が見れば一発で分かる間違った情報を載せていたり、客観的データがなく筆者の想像だけで事実を捻じ曲げて論じているような適当な所見が随所に書かれています。薬機法の広告表現の規制に抵触しない表記をするのは難しいので、グレーな表現から明らかに法律を逸脱している表現まで違法性を感じる文章を載せているサイトが多いです。口コミ記事でも広告を載せている場合はほとんどアウトです。

お金儲けが一番の目的になっているので、たとえ間違った情報、見解、怪しい商品の広告、薬機法違反の表記でも儲けるために載せてまっているのです。読者の利益や社会的モラルが無視されています。

このように、アフィリエイトサイトの意図的にねじ曲げられた情報を信じ込まされないように気をつけてください。

 

一方で、悪意のない誠実な業者やアフィリエイトサイトが存在することも確かです。医薬部外品の育毛剤を売っていたら必ず悪徳業者というわけではないし、アフィリエイト広告を張っているから金儲け目的だけの不誠実なサイトというわけではありません。

誠実な業者は、商品に高い値段設定をしていませんし、返金にも特別な条件など一切なくすんなりと応じてくれます。広告表記も誇大なものではなく適法な表現にしてありますし、効果が公の機関に認められていない成分をあれもこれも何十種類も詰め込んだ育毛剤ではなく、比較的効果の高いと思われる有効成分のみを数種類だけ配合した育毛剤を販売していますね。例えば、花王のサクセスは医薬部外品の育毛剤ですが1,000円もしません。それに対して、多くのサイトで宣伝されている育毛剤はどうでしょうか? 1本5,000円~10,000円なんてザラですね。はたして価格に見合った効果があるのでしょうかね。

そもそも発毛効果が医学的にも法的にも認められているミノキシジル配合のリアップはamazonで7,600円で買えるのに、なぜリアップより効果がないことが明確な医薬部外品の育毛剤を8,000円以上の値段が買う必要があるのでしょうか。バカげています。

誠実な個人サイトはアフィリエイト会社が複数人で作っているようなものではなく、個人で運営しているブログのような感じで飾り気のないサイトが多いです。そのようなサイトはたいてい文章やデザインにエンターテイメント性がなく一見つまらないものです。一般的にサイト運営者がお金儲けに走るとサイトのデザインはどんどん派手になっていく傾向があります。ウェブデザイナーに依頼してサイトを華やかにしたり記事を外注のライターに多くの記事を書かせたりしているので、その投資金を回収しなければいけないからです。お金儲けをあまり考えていないサイトは個人がコツコツやっているのでお金がかかっておらずデザインが全体にシンプルです。文章の内容はロジカルで、筆者は医学的な知識も勘違いせず理解しています。誇大に効果をアピールする文章もないですし、運営者が効果の高いものだと考えている商品のみをお勧めしていますね。もし儲けだけを考えているなら、アフィリエイト広告の成果報酬の高い育毛剤だけを勧めれば良いのですが、誠実なアフィリエイターはお金儲けに執着がないのでそういったことはしていませんね。ですから育毛剤のランキング付けもしていません。

悪質な業者やアフィリエイターが多すぎるせいで、誠実な人たちが発信している有益な情報がその中に埋もれてしまうのは社会的損失です。

私たちは誠実な運営者が作ったサイトだけにアクセスしたいところですが、ネット上では誠実な人が作ったサイトは検索順位の下の方にしか出てこないので目立たず気付きません。検索順位の上位には、極めて正しい情報を提供しているはずのAGAクリニックや皮膚科などの病院のサイトや製薬会社のサイトが出てこないのです。どんなサイトが上位を独占しているかというと、お金儲け第一主義のアフィリエイトサイトが大半を埋め尽くしています。普通に検索をして1ページ目や2ページ目に出てきたサイトをクリックしたらそれは大抵アフィリエイトサイトです。

例えば『育毛剤』と検索窓に入力してみると、検索結果の上位(1~20位)の中にはアフィリエイトサイトが実に15サイトも出てきます。検索上位の75%はアフィリエイトサイトということです。さらにそのうち13サイトはランキング形式の記事でした。(2016年6月調べ)

それらのランキング記事は運営者やサイトが異なっているのになぜか同じ育毛剤がランキングの上位を占めています(具体的な育毛剤の名前は出しませんが、だいたい6種類の育毛剤のうちのどれかがランキングに入っています)。 何故どのサイトの運営者も同じ育毛剤をこぞってランキング上位にしているのでしょう?

答えは簡単です。それらの育毛剤の販売元企業が高い報酬のアフィリエイト広告を出しているからです。アフィリエイトサイトは効果の高い育毛剤を厳選して読者にお勧めしているのではなく、アフィリエイターが儲かる育毛剤をお勧めしているということがお分かり頂けると思います。ですから、どんなに良い育毛剤があったとしてもアフィリエイト広告を出していない育毛剤はランク外なのです。

検索システムが進歩して、消費者が搾取されているこういった状況が早く終わるといいのですけどね。googleさん。

全てのアフィリエイトサイトが悪いわけではありません。読者の利益になる情報を提供しているサイトならば大いに歓迎すべきです。しかし現状ではアフィリエイターの利益になっているだけで読者の利益になっていないサイトがほとんどです。

 

最後に抑えておくべきポイントは、医薬部外品の育毛剤が医薬品の効果を越えることはないということです。

薬機法では、医薬品は身体への効果があるもの、医薬部外品は身体への効果がないものまたはあっても非常に僅かなものと規定されています。

医薬部外品の育毛剤や、医薬部外品よりさらに法的に育毛効果がない化粧品に分類される育毛剤などが、フィナステリド製剤(プロペシアなど)やミノキシジル製剤(リアップ、ロゲインなど)の育毛・発毛効果を超えることはないのです。ミノキシジルなどと同等の効果があると医薬部外品や化粧品扱いの育毛剤の広告に書いてあれば、それは薬機法違反なのでいずれ広告主やサイト管理者は逮捕されます。

ですから、薄毛治療で効果を求める場合(特にAGAの場合)に、あえて医薬品を避けて医薬部外品を使う理由はまずありません。

 

 

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悪質な育毛剤 誇大広告や偽りの情報に注意!!” に対して2件のコメントがあります。

  1. taka より:

    正にそのとおりです。

    育毛剤ランキングなどと言っているサイトは全く信用できないサイトがほとんどです。
    しかも、ランキングはアフィリエイトの報酬の高い育毛剤が上位にきています。

    こららのサギサイトはどこに通報するばよいのでしょうか?

    1. 管理人 より:

      takaさん、コメントありがとうございます。

      多くの場合、薬機法関係の監督は都道府県の薬務局が行っています。
      例えば、東京都に籍がある会社が薬機法違反をしているのなら、東京都の福祉保健局健康安全部薬務課に連絡すればOKです。

      詳しくは厚生労働省の以下のページに書いてあります。
      各自治体の連絡先やメールアドレスも記載されているので便利ですよ。
      http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp131111-01_1.html

      ただ、私も以前あまりにも悪質なサイトについて通報したことがありますが、メールで通報すると返信がなかったので具体的にどのような対応をしてもらえるのかは分かりませんでした。
      担当者の方に詳しい話を聞きたいのなら電話で通報するのが良いと思います。

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