紫外線防止・対策 薄毛・頭皮編

水着男性が紫外線を浴びまくり

 

日に焼けた黒い肌は健康的でカッコいいとか、夏なのに白い肌は軟弱に見えるとよく言われますね。

EXILEを見ても、基本的に男は肌の色の黒い方がモテるような気がします(笑)

 

今はこんな商品もあります。塗って肌を日焼け色にするというやつ。

紫外線を浴びないので、皮膚癌・シミ・ソバカスなどのリスクがありません。

しかも洗っても落ちないけど、1週間で自然に色が消えていきます。

皮膚科医の推薦もあるし、手軽で健康的に黒くなれますね。

「白い肌で海に行くのはちょっとカッコ悪いな」と思う時とか重宝しそうです。

 

モテるモテないはとりあえず置いといて、紫外線を浴びることで身体にはどのような影響があるのでしょうか。

この記事では、このサイトのテーマである薄毛と紫外線との関係について医学的にはどのようなことが言えるのか解説したいと思います。

結論から言うと、頭皮の健康を保つためには紫外線対策は必要です。

頭皮の紫外線対策を意識している男性はほとんどいないと思いますが、実は紫外線から頭皮を守らなければいけないことは人類の進化からも分かっています。

 

この記事は長文なのでスマホで読むには辛いかもしれません。目次から気になる項目へジャンプして読んだ方がストレスなく読めると思います。

紫外線とは? いつ、どんな場所で多くなるのか?

よく日焼け止めクリームの宣伝などで紫外線予防のことを「UVケア」と呼んでいますね。

UVとはUltraVioletの略で、Ultraは「極端な」とか「限外の」という意味で、Violetは「青紫色」という意味です。

極端な青紫色=青紫色の外の色=紫外線ということです。

紫外線と波長の関係図

引用 NHK健康ホームページ

太陽の光は、様々な光が合成されて出来ています。

目に見える範囲の光を可視光線と言って、虹色に見える「紫、青、緑、黄緑、黄、橙、赤」などですね。

図の可視光線の紫色よりも左側、つまり紫色の外側の色は目には見えません。この目に見えない光を紫色の外側にあることから紫外線と呼んでいます。

逆の右側の可視光線の赤より外の光を赤外線と呼びます。

 

さらに紫外線には「UVA、UVB、UVC」という3つの種類があります。

UVCはオゾン層までしか届かないので地上には降り注ぎません。私たちの身体にとって何の影響もありません。

UVAUVBはオゾン層を突破して、私たちの皮膚に降り注いできます。私たちの身体にとって重要なのはUVAとUVBです。

 

紫外線の量は、季節や天気によって大きく変わります。

紫外線の年間変動比

図は、国立環境研究所が観測した2015年の紫外線量のデータを棒グラフにしたものです。

紫外線は1年間のうちでは、5月から8月に多くなります。

一番多いのは7月で、一番少ない12月と比べるとUVBは約4倍ほどの差があります。

1日のうちの時間帯別では、太陽の出ている8時から15時までが非常に多く、日が完全に沈む19時から翌6時くらいの間はほぼゼロになります。

天気との関係では、快晴の日の紫外線量を100とすると、薄曇りは80~90、曇りは60、雨は30、という程度の差があります。紫外線量の多い7月でも雨の日ならば12月くらいの紫外線量にしからないということです。雨の日は日差しが弱いので感覚的にも納得できますね。

緯度によっても紫外線の量は異なり、緯度の低い地域の方が多くなります。例えば、東京と比べると緯度の低い沖縄の方が非常に多くの紫外線が降り注ぎます。

 

紫外線の量は気象庁が紫外線情報分布図を発表していますので、詳しく知りたい方は参考になさると良いですね。(参考リンク:気象庁 紫外線情報分布図)

 

また紫外線は物に当たると反射する特性を持っています。

紫外線量の少ない冬場でもスキー場では強い日焼けを起こすことを思い出してみてください。プロスキーヤーやヒマラヤ山脈に登るような登山家はゴーグルをかけている部分以外の顔が真っ黒に日焼けします。夏の海に行って真っ黒に日焼けするのと変わらないくらい黒くなりますよね。

実は海のように乾いた砂や水面がある場所では反射した紫外線量が通常の1.2倍に、雪に反射した紫外線はさらに反射率が高くなり通常の2倍にもなります。

ですから海や雪では特に紫外線を意識する必要があります。

標高が高くなると紫外線量も増加するので、冬のスキーや登山だけでなく、夏に高原などの避暑地へ行く際も紫外線量が増加していることに注意しましょう。

 

私たちは紫外線を浴びていることを知覚することができません。

「今日は暑いから紫外線が多く出ている」とか、「今日は涼しいから紫外線は少ないだろう」と思うのは間違っています。

温度は赤外線などから感じるもので紫外線に温度はありません。いくら浴びても人間には何の感覚もありません。

紫外線量は、太陽が雲に隠れてないか、季節、場所などで判断しましょう。

 

紫外線が身体に与える影響は大きい

メリット

・ビタミンDの合成

人は太陽光を浴びると、皮膚のコレステロールをカルシノルに変換し、内臓に送ってビタミンDにする能力を持っています。ビタミンDは太陽光で合成できることからサンシャインビタミンとも呼ばれます。

ビタミンDには骨の健康維持に効果があります。逆にビタミンD不足になると子供はくる病、大人は骨粗しょう症のリスクが高まります。さらにインフルエンザのリスクにも関係していることが研究から分かっています。その他、ビタミンDの効果は、糖尿病のリスク軽減、子供のアレルギー症状のリスク軽減、妊婦と胎児の健康などにも関わっています。

特に冬場は紫外線量が少なくなる上にインフルエンザが流行りやすいので、ビタミンD不足には注意が必要です。

ではどのくらい太陽光を浴びれば十分なビタミンDを得られるかというと、だいたい昼間に5~10分ほど浴びれば十分だと言われています。ただし、肌の色、どれだけ肌を露出しているか、時間帯などで変わってきますのでこの時間はあくまでも目安です。

紫外線量の少ない冬場はビタミンD不足になる人が増えるので注意が必要ですが、夏場はずっと家に引きこもっていない限り大丈夫でしょう。

黒人など肌の色が黒い人は、白人など色の白い人に比べて皮膚からの太陽光の吸収率が悪く、ビタミンD不足になりやすいです。黄色人種で色白の人でも冬場に徹底的な日焼け防止対策をしているとビタミンD不足になることも考えられますので、その場合はサプリメントなどで補充することも一案です。

 

・セロトニンの分泌を促す

太陽光を浴びることでセロトニンが分泌されます。セロトニンは脳内物質のひとつで、精神状態を安定させるなどの働きがあり、鬱病などの精神疾患のリスクを抑える効果があります。1日に30分ほど太陽光を浴びると十分な効果が得られます。

 

・体内時計の調整

セロトニンの分泌とも関係しますが、太陽光を浴びることで体内時計を昼型の生活に調整します。

 

・光線療法

乾癬、白斑、アトピー性皮膚炎などの治療に紫外線が利用されることがあります。

 

紫外線から頭を守る男性

デメリット

・皮膚へのダメージ

 皮膚への悪影響はよく知られるところですね。UVAとUVBで皮膚に与えるダメージは少し異なります。

 UVAは、慢性の皮膚組織へのダメージ。大きなしわや皮膚のたるみなどです。

 UVBは、急性の症状。日焼け、しみ、小じわ、皮膚の乾燥などです。UVAよりもUVBの方が有害です。

 紫外線を幼少期から何十年も浴び続けると皮膚へのダメージは蓄積されていきます。気づかない内に徐々に細胞が破壊されていき、しわ、たるみ、腫瘍ができてしまいます。これを光老化と言います。光老化で一番深刻な症状は皮膚がんが起こるリスクが高まることです。皮膚がんは一番紫外線を浴びている顔などの頭部にできることが多いです。

 

・髪や頭皮への悪影響

 頭は髪の毛で守られていますが、髪の分け目やつむじなど露出している部分の頭皮が浴びる紫外線量は、顔や体の5倍以上とも言われており、紫外線のダメージを一番受けやすいと言えます。

 光老化は、顔や腕などの皮膚だけでなく、頭皮や毛髪にも起こります。

 頭皮への悪影響は、皮膚を保護している皮脂膜を酸化させ、毛穴の炎症を起こします。毛根が痛むことで脱毛を起こしたり、毛穴の炎症が皮脂の異常分泌につながって脂漏性皮膚炎を悪化させたりします。

 髪の毛への悪影響は、髪に強さを与えている構造(シスチン結合)を切断し、髪の表面を覆っているキューティクスがはがれたり、タンパク質(ケラチンやメラニン色素)の構造が壊されたり、水分が失われることで、髪に艶がなくなり、ぱさついたり切れ毛・枝毛になることがあります。

 また、紫外線は髪を黒く見せているユーメラニンを分解し、黒髪から赤茶色へ変色することがあります。しかしこれに関しては髪の毛は非常にユーメラニンが豊富なのでさほど神経質になる必要はありません。

 余談ですが、アフリカなど紫外線量が非常に多い地域で暮らしている人々の髪の毛は縮れていることが多いですよね。不思議に思ったことはありませんか?何故黒人は髪の毛がチリチリなのだろうと。実は、その理由は頭皮を強い紫外線から守るために進化の過程で髪の毛が縮れていったのだと言われています。できるだけ髪の毛の面積を増やして頭皮を露出させないように進化したのです。アフロヘアは最強の紫外線対策になっているわけですね。このことから分かるのは、生物の本能として進化して守らなければいけないほど強い紫外線から頭皮を守る必要があるということです。逆に紫外線量の少ない北国に住んでいる人々の髪の毛はストレートが多く、保温に優れていると言われています。

アフロヘアー

引用:www.popularsmokers.com

 

・朝シャンは紫外線の餌食

 朝シャンをする人は頭皮が紫外線に弱くなっています。

 なぜかというと、頭皮に分泌されている皮脂は紫外線から頭皮を守る役割を持っているのですが、朝など出掛ける前に頭を洗ってしまうと必要な皮脂まで洗い落としてしまうので、頭皮が紫外線の前で丸裸にされている状態になってしまいます。ダイレクトに頭皮が紫外線からのダメージを受けてしまうのです。

 夜に頭を洗えば、寝ている間に必要な皮脂が分泌されるので翌朝には自然に紫外線対策ができている状態になるので、なるべく洗髪は夜に行いましょう。

 どうしても朝シャンをしたい人は、頭皮にも紫外線対策をしっかりすることで紫外線から守ることができます。

 

紫外線対策

紫外線の影響は、元々の体質によって強く出る人とほとんど出ない人がいます。ざっくり言うと肌が色白の人は紫外線に弱く、色黒の人は強いです。

ますは自分が紫外線に強いタイプなのか弱いタイプなのかを知りましょう。

紫外線の肌タイプは3種類

日本人の肌タイプ 紫外線編

引用 NHK健康ホームページ

Ⅰ型

 紫外線を浴びるとすぐに皮膚が赤くなる。その後は肌が黒くなりにくい。

 ユーメラニン色素の量が少ないタイプの人で日本人の18%はⅠ型です。Ⅰ型の人は光老化が進みやすく、皮膚がんのリスクも高いです。

 元々色白ですぐに赤くなってしまう私はこのタイプでした。

Ⅱ型

 紫外線を浴びると皮膚が赤くなるものの、その後黒くなる。

 日本人の70%がⅡ型です。多くの人はⅡ型ですね。Ⅱ型の人も5月から8月のように紫外線の強い時期には紫外線対策が必要です。

Ⅲ型

 紫外線を浴びても赤くなることはあまりなく、すぐに肌が黒くなりやすい。

 日本人の12%が該当します。Ⅲ型の人は紫外線の影響を受けにくく、光老化しにくいので、紫外線に対して強い肌の持ち主です。逆に紫外線量の少ない冬場はビタミンDの合成ができず、不足することがあるので注意しましょう。

 

UVカット

 

具体的な頭皮の紫外線対策

紫外線対策1 日焼け止めクリーム

・PAとSPF

日焼け止めクリームの効果を表している表記として、PASPFと書かれています。

このPAやSPFというのは、それぞれUVAとUVBをどれだけ防げるかということを示しています。

PAの場合は、「PA+、PA++、PA+++、PA++++」という風に+が多いものほどUVAの防止効果が高いです。

SPFの場合は、SPF10~SPF50+などがあり、値が大きいほどUVBを防ぐ効果が高いです。SPF1で約20分間UVBを防げると言われています。(これはあくまでも目安なので体質によっても変わりますし、季節や場所によっても多少変わります)

海外製の商品ではSPF100というものまであります。薬機法の規定により日本製ではSPFが50以上のものはSPF50+という表記になっています。これらは、実はSPF50のものと効果は変わりません。なぜならSPF50だと約17時間もUVBをカットできるので、太陽が出ている間はフルカバーできます。SPF100のように紫外線がない夜間にまで日焼け止めを使う必要はありません。

PAとSPFの数字の選び方はおおよそ下図を目安にしましょう。

生活シーンに合わせたPAとSPFの選び方

引用元:日本化粧品工業連合会

日焼け止めを選ぶ時には、PA++++やSPF50の日焼け止めを選べば効果は完璧ということです。ただし、数値の高いものは刺激が強いので、数値が高いものが肌質に合わない人の場合は弱めのものを買って数時間おきに塗り直すという方法がいいです。

肌のタイプがⅠ型の人は、SPFやPAの数値が高めのものを選び、塗り直すことも心がけましょう。

 

・日焼け止めの効果を発揮させる塗り方

外出の30分くらい前に塗るのがベストです。日焼け止めは肌になじんでいないうちは効果を発揮しきれませんので、外出の直前に塗るのはちょっと遅いです。肌になじんでくるのを待つために30分くらいおくと力を発揮してくれます。

やさしく、たっぷり、まんべんなく塗ることも重要です。PAやSPFの値は、1㎠あたり2mgを塗った時の効果を示しています。感覚的には結構しっかりと塗っている量です。普通の人は薬剤の白さが残ってしまうのを気にして伸ばし過ぎてしまい、実際の効果は半分以下になってしまっていることが多いです。

日焼け止めを一度塗っても汗などで落ちてしまうこともあります。そのため単純にPAやSPFを見て防止効果が高いものを使うだけではなく、日中に塗り直すというひと手間を加えるとより効果的になります。塗り直しの目安としては2~3時間おきに行うのが理想とされています。

 

・頭皮用の日焼け止め

顔に塗るタイプの日焼け止めは基本的に頭皮に塗っても問題ありません。

頭皮に日焼け止めを塗った場合は、頭を洗う際に洗い残しのないようしっかりと落としましょう。

頭部用のUVスプレーも販売されています。

 

・日焼け止めには消費期限があります

一度開封した日焼け止めは、1年後には使わない方が良いとされています。

その理由は、雑菌が空気中から薬液に混入してしまったり、二次感染してしまうことがあり、品質が下がっていることがあるからです。

「昨年の夏に使ったやつが残っているから今年もこれを…」と考えている人は新しいのを購入した方が良さそうです。肌に直接つけるものなので鮮度の高いものの方が安全です。

 

・肌に優しい成分

日焼け止め成分には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類があります。

紫外線吸収剤にはパラアミノ安息香酸と呼ばれる物質が使われていることがほとんどで、この成分にかぶれる体質の人がいるので注意が必要です。
このかぶれは日焼けによるものなのか、パラアミノ安息香酸によるものなのか見ただけでは分からないこともあります。
かぶれた経験のある人は紫外線吸収剤無使用と書いてあるものや、紫外線散乱材を使用した方がいいでしょう。

 

紫外線対策2 帽子を被る

帽子の紫外線を防ぐ効果は高いです。つばの大きいもの方が日陰になる面積が広がりますので紫外線対策には効果的です。

帽子やヘルメットを被っていて薄毛になるという噂もありますが、全く根拠がない話です。帽子やヘルメットでハゲることはありません。

夏場は長時間被っていると汗で蒸れて頭皮環境を悪くして、マラセチアという皮膚を炎症させる菌の繁殖を促してしまったり頭皮の臭いの原因にもなってしまうことはありますので、通気性がいいものを選びましょう。

メッシュや麦わら帽子のように風を通す素材や、サイズの少し大きめのものを選ぶのがベストです。

汗が多い日はタオルでしっかり汗を拭きましょう。

 

紫外線対策3 しっかりとした生地の服を着る

紫外線の多い夏場は薄手の白い服を着る人が増えますが、紫外線対策という意味では最悪です。

濃い色のものや、厚手のものが紫外線を通しにくく、長袖や長ズボンが理想的です。(暑くて実用的ではありませんが…)

 

紫外線対策4 食べ物に気を付ける

日焼けを起こしやすくしてしまう食べ物もあります。

日光過敏の原因物質であるソラレンの含有量が比較的多い食品です。

レモン、ライム、パセリ、イチジク、セリなどです。柑橘系の果物に含まれていることが多いです。

他の食べ物でも必要な栄養は摂れますので、夏場など紫外線の多い時期はこれらの食べ物は避けた方が無難です。

ライムレモンサワーなどを飲みたくなっても夏場は別のものにしましょう。

 

頭皮が日焼けを起こしたときの対処法

日焼けは医学的には日光皮膚炎と言って、重症化すると生命の危険もまねくことがあります。

紫外線を浴びすぎて頭皮が赤くなっている場合は、濡らしたタオルなどで冷やします。頭皮の炎症を抑えましょう。皮膚の場合でも同じです。

また頭皮は乾燥していますので、洗髪後に保湿性が高い医薬部外品の育毛剤や化粧水など優しくマッサージを行い潤いを与えると良いでしょう。

紫外線によって痛んだ髪の毛にはトリートメントが効果的です。

シャンプー後、タオルで十分に水気を取ったらトリートメントをつけましょう。そうすることで、トリートメントが髪に浸透しやすくなります。

トリートメントの浸透のために5分ほどおいて、しっかりとすすぎましょう。

 

 

(こんな記事も読まれています)

⇒ 何が抜け毛の原因となっているかセルフチェックしてみよう

⇒ 女性の薄毛を症状別に解決!!

⇒ 10代・20代前半の人のための薄毛対策

⇒ シャンプーは成分表示欄を読んで選ぼう!!

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です